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【特集】神戸物産 Research Memo(5):「業務スーパー」の成長加速や新業態の確立、新たなM&Aによる規模拡大に注目

神戸物産 <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

(2)中期経営計画

神戸物産<3038>は中期経営計画として2017年10月期に連結売上高300,000百万円、経常利益15,000百万円を目標として掲げてきた。売上高は前期実績に対して1.31倍、経常利益は1.75倍の水準となる。主力の業務スーパー事業の成長に加えて、エコ再生エネルギー事業の拡大を見込んでいたが、太陽光発電事業については当初計画策定時から計画が大幅に遅延していることから、今後見直しを行う可能性がある。当初計画ではエコ再生エネルギー事業だけで2017年4月期に売上高で58,000百万円程度を見込んでいた。

太陽光発電事業では現在、355MW以上の事業化権を取得済みとなっているが、買取り制度の変更や、2年後にはグリーン投資減税の適用対象外になることから、投資回収期間が当初の想定よりも長期化する可能性が出てきたことが要因だ。また、発電所の候補地での行政機関や地域住民との交渉、周辺の開発工事などに時間が掛かっていることも一因となっている。このため、土地や事業化権の売却も経営の選択肢として検討する段階に入っており、中期経営計画を達成するには、「業務スーパー」の成長加速や新業態の確立、新たなM&Aによる規模拡大などが進展するかどうかがカギを握ることとなる。

とはいえ、主力の「業務スーパー」に関しては中期的に成長が続く見通しであることには変わりない。前述したように、首都圏エリアを中心に出店余地はまだ大きいためで、今後も年間20?30店舗ペースで店舗数を拡大し、中長期的には国内で1,000店舗体制を目指している。1店舗当たりの売上高が300百万円とすると、売上規模として300,000百万円まで業務スーパー事業だけで見込めることになる。また、将来的には海外での「業務スーパー」の成長期待もある。収益性に関しても、現在約1割程度にとどまっている自社開発・製造商品の比率を引き上げていくことで更なる向上が見込まれており、今後も業績は着実に拡大していくことが予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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