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【通貨】欧米為替見通し:ポンドはMPC後に乱高下、株価次第で上昇も

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、英中銀が金融政策委員会(MPC)後に発表する金融政策が焦点となる。市場は利下げを織り込みつつあり、短期的にはポンド売りに振れるだろう。しかし、金融緩和が英国の実体経済に効果があると評価された場合には、株高となってポンドを押し上げる展開も想定しておきたい。ドル・円も影響を受けざるを得ない。

英国では欧州連合(EU)離脱選択を受けメイ新政権が発足したが、離脱交渉の開始についてはメドが立っておらず、足元では英中銀の金融政策が英国経済の命運を握っている。こうしたなか、英中銀のカーニー総裁は12日の議会証言で、EU離脱による実体経済への影響に関連し、成長見通しの低下が見込まれる場合には「MPCの判断で政策対応する可能性はある」と述べた。市場はすでに7月か8月のMPCで現行0.5%の政策金利を0.25%に引き下げると見込んでおり、予想通りなら最初の反応としてポンド売りに振れるだろう。

ただ、足元の株式市場の回復に主要通貨が連動する相場展開をみると、「利下げ=ポンド売り」が続くとは予想しにくい。実際、英国の株価指数FTSE100は今週に入って堅調地合いが続き、リスク選好的な動きとなってポンドが押し上げられている。MPCの利下げ決定後、ポンド・円はポンド売りが一時強まるかもしれないが、株高となれば140円台まで値を切り上げる可能性はあろう。一方、ドル・円はポンドの下落局面では連れ安になる動きが見込まれるが、ポンド上昇の場合は106円を試す可能性が高まろう。


【今日の欧米市場の予定】
・20:00 英中銀が政策金利(現行0.50%)発表(0.25%引き下げ予想)
・20:00 英中銀が金融政策委員会の議事要旨発表
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:26.5万件、前回:25.4万件)
・21:30 米・6月生産者物価指数(前月比予想:+0.3%、5月:+0.4%)
・24:15 ロックハート米アトランタ連銀総裁講演(経済情勢)
・02:15 ジョージ米カンザスシティー連銀総裁講演(米国経済)

《WA》

 提供:フィスコ

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