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2016年07月14日15時04分

【特集】萩原工業 Research Memo(1):戦略製品群により新規市場を開拓

萩原工業 <日足> 「株探」多機能チャートより

萩原工業<7856>は、戦略製品群の代表的な製品である「バルチップ」(コンクリート補強繊維)が、かつてオーストラリアの鉱山からの需要を獲得したことから資源関連企業とみられた。また、ブルーシートの大手メーカーであるため、震災関連との見方がされている。いずれも、同社の実態を適切に表していない。

バルチップの売上高は、中国経済の成長率鈍化や資源価格の下落によりオーストラリア向けが減少したが、中南米の鉱山向けが伸びることで、全体としては拡大傾向にある。リオ五輪の関連インフラに使用されていることから、4年後の東京オリンピックに関連した需要が期待される。また、中南米では社会インフラ整備の一環としてコンクリート舗装道路の建設が進むことも有望な材料になる。国内は、東京外環道路を始めとして首都圏を中心に交通プロジェクトが目白押しのため、バルチップの需要が旺盛だ。また、浮桟橋の土台用発泡スチロールをコンクリートで覆う際に使用されるなど、新用途開発が進んでいる。

2016年4月に発生した熊本地震に関連した、2016年10月期第2四半期における売上高は数千万円程度に過ぎない。震災直後は、ホームセンターなどで雨水対策などに低価格品が買われた。同社の高品質品は、主に地方自治体が備蓄しており、今後、ブルーシート以外の製品を含め補充のための需要が見込まれる。

同社は、ポリエチレン製モノフィラメント製造を目的に創業しており、フラットヤーンを用いた合成樹脂加工製品事業で優れた特性を持つ差別化製品を生み出してきた。3年前に市場に投入した、野菜や果実の包装材に使用される「メルタッククロス」は、昨年、全米最大のプロデュースバッグメーカーと長期契約の締結に成功した。細く、軽く、柔らかい糸を使用し、タテヨコを熱融着した同社のネットは、機能性に優れることから従来品を代替した。量産が開始されたばかりだが、今後は用途を広げ、生産量を拡大することでコストダウンを図る。

2016年10月期第2四半期の業績は、前年同期比3.2%の増収、16.4%の営業増益となった。通期は、前期比6.5%増収、5.9%の営業増益を予想している。第2四半期の営業利益は期初予想を6.5%上回ったが、ナフサなどの原材料価格が2016年に入って反転上昇していることから、通期の予想を堅めに据え置いた。

中期経営計画の最終年度に当たる2018年10月期の売上高は27,000百万円、経常利益が2,800百万円、売上高経常利益率10.4%を目標値としている。

■Check Point
・「バルチップ」はリオ五輪関連需要を享受
・新製品「メルタッククロス」に大きなポテンシャル
・2Qの業績で利益が予想を上回るも、通期予想を据え置き

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《TN》

 提供:フィスコ

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