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【市況】米株高好感後はアベノミクス信任で政策期待が高まるか/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 11日の日本株市場は買い先行の展開となろう。まずは米雇用統計の結果を受けた米国市場の影響を受けることになるが、非農業部門の就業者数は28.7万人増となり、5月の1.1万人増(改定値)から急回復した。8日のNYダウは250ドル超の上昇となり、足元で上値抵抗として意識されていた18000ドルを一気に突破し、4月の史上最高値にあと1ドル程度に迫っている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比220円高の15340円となり、週明けは幅広い銘柄に買いが先行することになろう。

 また、参議院選挙で、自民・公明両党は目標としていた改選議席の過半数の61議席を上回り、合わせて70議席を獲得。憲法改正に前向きな勢力が3分の2の議席を占めることになった。安倍首相は参議院選挙の結果を受けて、12日にも麻生財務相らに対し、新たな経済対策を盛り込んだ補正予算案の編成を指示。内閣改造を断行する方針で時期や規模について、今後、検討を進めると報じられており、政策期待等も高まりやすいだろう。

 また、先週末のETFに絡んだ売り需要が通過するほか、日経平均は節目の15000円接近により、自律反発が意識されやすいところではある。ご祝儀的な年金買いといった思惑も高まりやすく、短期的には買いスタンスに向かいやすいだろう。ただし、買い一巡後は不安定な相場展開が意識されやすい面もある。今回の米雇用統計は6月半ばの時点であり、英国の欧州連合(EU)離脱を選択した6月23日の国民投票の影響は反映されていない。早期利上げ観測は高まる可能性は低いなか、円相場の上昇基調は変わらないと考えられ、円高が重石になりやすいだろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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