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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 二番底見極めが出動の条件

株式アドバイザー 北浜流一郎

「二番底見極めが出動の条件」

●回復の重石となる悪材料山積だが…

 現在、東京市場は、6月24日につけた安値1万4864円が目先の一番底だったのかどうかを確認中だ。

 市場が最悪局面から立ち上がる時、しばらく浮上を続けたあと、多くの場合反落がある。これが下値確認の下げであり、現在の軟調局面がそれになる。

 このため、デイトレードのような積極策をとる場合は反発の兆しが見えたところで即座に投資。これもありだが、中長期投資はもっと慎重に、下値確認が終わったあとで出動するのが望ましい。

 いまは基本的には、投資しにくい状況だ。英国のEU離脱に関連して、(1)イギリスの不動産ファンドなどが苦境に陥っている、(2)ドイツ銀行の株価が下げ止まらず、史上最安値を更新し続けている、(3)イタリア3位の銀行が経営危機に陥っている、(4)ハンガリーが10月2日に移民受け入れの是非を問う国民投票を実施する、(5)欧州連合(EU)の欧州委員会が財政再建の努力を怠っているとして、スペインとポルトガルに制裁を科すよう勧告した――こんなネガティブ材料が相次ぎ出現していて、さらに新たな材料が加わる恐れもある状況だ。

 これではとても投資できない。こうなるだろうが、前述したように市場が最悪局面から立ち上がる時には、市場を崩した最悪材料の派生材料や周辺材料によって、回復の足を引っ張られるのが常だ。

 その結果として底値の確認ができるのであり、いまはその結果を待ちたいところだ。

●新分野展開や円高メリット株に注目

 ポイントは日経平均株価が再び1万5000円を割り込み、さらに1万4864円をも下抜けてしまうかどうか。

 私はそうなる確率は極めて低いと見ているが、結果を出すのは市場。ここからしばらく推移を注視したい。

 このような観点から対応を考えると、日経平均の日足チャートがダブル底=二番底を付けるのを待つ。これが良策になり、いましばらくの辛抱といったところだ。

 では、こんな状況で注目できる銘柄はあるのか。それはある。時代に先駆ける新分野への展開に積極的な会社は、当然、投資魅力がある。具体的にはディー・エヌ・エー <2432> だ。

 この会社は自動車の自動運転実用化に積極的に取り組み、このほどイオンモール <8905> と契約し、8月から千葉市で実際に運行を始める予定だ。株価はそれを好感、高値圏にあるものの、少しでも押しがあったら見逃さないようにしたい。

 為替の円高は、投資する立場からはあまり歓迎できないのだが、円高メリットを受ける会社もあり、それらの銘柄は堅調高が見込めるため、外食首位のゼンショーHD <7550> 、家具販売首位のニトリHD <9843> 、ベビー・子供用衣料や生活雑貨に強い西松屋チェーン <7545> などが魅力的だ。

 最後に、毎度お馴染みのエムスリー <2413> を。「またか」と言われてしまいそうだが、多くの銘柄が早くも夏バテしているのに、この株は異例の値動きの良さだ。

2016年7月8日 記


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