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【経済】NYの視点:FOMCはBREXIT前から慎重姿勢に転換、6月雇用統計の重要性


米連邦準備制度理事会(FRB)は、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を控えた6月14-15日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げを見送った。公表された議事録では、英国民投票の結果や更なる経済指標をみる必要があるとの判断から利上げを見送ったことが明らかになった。下方リスクが多く認識されており、1)世界経済や金融ショック、2)中国の政策に関する不透明感、3)中国や新興諸国の高債務が金融システムにリスクとなる可能性、4)雇用の急激な減速の可能性、5)引き続き弱い企業投資、などが挙げられた。英国の国民投票の結果が金融市場に波乱となり、経済を損なう可能性も警戒されていた。FOMCは英国が国民投票でEU離脱を決定する以前からより慎重な方針に転じていたことは鍵となる。

弱い5月の雇用統計に関しての判断でも意見が分かれたようだ。多くのメンバーは5月の弱い雇用統計では雇用ペースが正しく評価されておらず、過小評価されている可能性を指摘。しかし、一方で、数人のメンバーは弱い雇用統計が労働市場の広範な失速の兆候である可能性を警告した。6月の雇用統計の結果で、弱い5月の雇用統計が果たして労働市場の一時的な縮小に過ぎなかったのか、または、雇用が鈍化傾向に転じたかを判断することになる。

ただ、ほとんど全てのメンバーが弱い5月雇用統計を受けて不透明さが増したと感じていることは確かなようだ。加えて、英国のEU離脱決定を受けて、成長や利上げ見通しでより慎重な姿勢に転じた可能性もある。米国の年内の利上げの余地はより狭まる。

《NO》

 提供:フィスコ

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