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2016年07月06日17時30分

【特集】ジョイフル 穴見陽一代表取締役インタビュー <福証単場会銘柄に注目!>

穴見陽一氏(ジョイフル 代表取締役)

―独自の事業戦略を展開する九州のファミレスチェーン!―

 国内株式市場が上昇波動に乗り切れない中、地方証券取引所の上場銘柄には、全国的な知名度こそ高くないもののキラリと光る注目したい優良な企業が存在する。今回、福岡証券取引所に単独上場している福岡単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/の企業トップが、自らの言葉でユニークなビジネスモデルや成長ストーリーを語ってくれた。いまだ、熊本震災の記憶は生々しいが、福証単場会の銘柄はアツイ。

●穴見陽一氏(ジョイフル 代表取締役)

 ジョイフル (9942) [福証]は、1976年の創業以来、家庭のリビングの延長線上にある「いちばん身近なレストラン」を標榜し、全国に約770店舗を展開する業界トップクラスのファミリーレストランチェーンだ。業績好調な同社の代表取締役である穴見陽一氏に今後の成長戦略を語っていただいた。

●1)貴社の事業について伺います。
 どのような事業を展開されているのでしょうか? 具体的にご説明ください。
 また、直近の業績動向に対してはどのように評価されていますか?

 当社はファミリーレストラン「ジョイフル」を全国にチェーン展開しています。九州の大分に本社を構えており、総店舗数は2016年5月末時点で767店舗となっています。九州エリアに約400店舗あり、ドミナントを形成しています。近畿以東での知名度に関しては努力の余地がありますが、近畿以西での知名度は非常に高く、競合他社が入り込む余地はあまりないのが実情です。出店に関しては、同業他社が退店を余儀なくされる中で、ジョイフルは出店を強化しており、ここ数年、1年間に20~30店舗ほどの新店を近畿以東に出店しています。

 業績に関しては2期連続の増収を達成しており、2015年度の連結売上高は628億円。また、16年度の連結売上高見込みは、過去最高の652億円となっています。

 近年、外食業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。少子高齢化による市場の縮小、労働人口の減少、食と安全の問題などに起因するものですが、ジョイフルは奇をてらわず、堅実な経営を行い、一歩一歩着実に歩み続けてきました。その結果が、今年の過去最高の売上高見込みにつながったと感じています。

●2)ビジネスにおける特徴をお話しください。
 貴社の事業におけるこだわりや特徴は何でしょうか?

 ジョイフルのコンセプトは「いちばん身近なレストラン」です。お客様の家庭のリビングの延長線上として幅広い年齢のお客様に普段からご利用いただけるよう、リーズナブルでおいしい料理と、ゆっくりくつろいでお召し上がりいただける場の提供を心がけております。

 特長を挙げるとするなら、まずは低価格でおいしい料理へのこだわりです。お客様に繰り返し来店いただけるように、メニュー開発にあたっては、飽きのこない味わいを追及するほか、商品ラインアップの充実に力を入れています。グランドメニューには、洋食レストランの王道・ハンバーグやステーキをはじめ、定食、軽食、おつまみからデザートまで100アイテム以上をご用意しています。モーニングメニューやランチメニューにおいては価格にこだわり、390円(税抜)からという低価格で料理を提供しています。もちろん、食の安心・安全にもこだわっており、社内の専門部署が日々品質チェックを行うほか、社外機関による検査なども定期的に実施しています。

 二つ目の特長は、出店戦略です。ジョイフルでは店舗の立地選定において売上予測システムを導入しており、そのシミュレーションに基づいて出店の可否を判断しています。出店の場所は、あえて人口がさほど多くない地域(ルーラル立地)を選定し、そこに集中的に出店してドミナントを形成します。人口でいうと、競合他社は8~10万人に1店舗の割合で出店しますが、ジョイフルは2~3万人に1店舗の割合。人口が少ない地域でも利益の出せる独自のノウハウがジョイフルにはあります。人口が少ない地域は土地代が安く、また、標準化された店舗が一定地域に高密度で存在することにより広告出稿代を減らすことができます。また、店舗設計においても、他社と比較し圧倒的に安いコストで建築できるノウハウがあります。これらの取り組みによって、商品の価格をリーズナブルに設定できるようにしています。

 三つ目の特長は、独自の店舗運営です。ジョイフルでは、各店舗で使用する食材の必要量を、直近の売上や客数などのデータから自動的に理論値をはじき出す独自のシステム「ジョイフル・ロジスティック・システム」を構築しています。店舗における食材の量を最適化することで、販売の機会損失をなくすとともに、廃棄食材を最小限に抑えています。また、店舗ごとの売上計画を本社において集中的に策定するなど、店舗従業員の負担軽減を図る取り組みも行っています。

 また、すべての店舗で高いクオリティのサービスを提供するため、ジョイフルには調理方法や接客に関するマニュアルが存在します。調理マニュアルでは、食材の量に始まり、調理方法、盛りつけ方に至るまで詳細が決められています。接客においても同様で、お客様来店時の受け入れから会計時の対応まで、細かなルールがあります。これらのマニュアルを徹底的に指導された社員、パート・アルバイトの存在が、ジョイフルの円滑な店舗運営を支えています。同時に、マニュアルに依存した画一的な接客にならないよう、より良いサービスを提供できる人材の育成に取り組んでいます。

●3)中長期における経営戦略について伺います。
 貴社の持続的な企業成長は、何によって担保されるとお考えですか?
 今後の見通しを踏まえてお話しください。

 すでにお話したとおり、弊社は人口の少ない地域でも店舗を運営するノウハウがあります。国内において少子高齢化の影響は今後かならず出てくるとは思いますが、他社と比較すれば、まだまだ日本国内にジョイフルを出店できる可能性があると考えています。エリアでいえば、関西から以東について出店を強化できるでしょう。今は約800店弱の店舗を展開していますが、今後も継続的に日本全国への出店を図っていきます。

 そのほか、海外進出や他業態の開発についても検討を重ね、取り組んでいきます。ジョイフルのコンセプトは「いちばん身近なレストラン」。これはつまり、いつでもだれでも、財布を気にせず、距離を気にせず、時間を気にせず来店できる店を意味します。こうしたビジネスノウハウを活かし、ビジネスを加速します。

 国内においては、セルフサービス形式のビジネスにチャレンジしたいと考えています。店内調理の「できたて感と手作り感」は小売店にはまねのできないレストランの強みです。また、この先、外食産業が生き残っていくための絶対条件でもあります。こうした価値を、「低価格」「高い品質の料理」といった別の価値とともにセルフサービス形式という方法で提供するやり方は、お客様から多くのご支持をいただけるものと思います。

 また、新業態については、他業態も含めて検討します。必要であれば、M&Aを用いることも考えるつもりです。

 海外進出については、まずはアジア地域への進出に取り組みたいと考えます。既存のジョイフルのビジネスノウハウを活かすことができるのではないかと考えるからです。「低価格で品質のよい料理の提供」というビジネスモデルがあまり定着していない地域へ出店し、「まちのひとつの構成要素」として受け入れられるような店舗展開を図りたいと考えています。

●4)経営理念についてお話をお願いします。
 貴社の存在は、外部からどのように評価されているでしょうか?
 また、それは経営理念と合致しているとお考えですか?

 わたしどもは、お客様の笑顔のために、いちばん身近なレストランであることを標榜し、日々業務に取り組んでおります。ジョイフルには、お子さんからシニアのお客様まで幅広い年齢の方が、ご家族、ご友人、仕事仲間の方などと一緒に日々来店されます。そうした様子を見るに、私どもが目指すところの「ハレの日に行くような非日常的なレストランではなく、その地域のお客様が求めるものを求めやすい価格でご提供するレストラン」が実現できているのではないかと感じます。

 ジョイフルは今年で創立40周年を迎えました。起業して10年の間に約9割の会社が倒産するといわれる中、ジョイフルが40周年を迎えることができたのも、当社の商品やサービスがお客さまから高い評価を得ていることのあらわれではないかと思います。

●5)最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
 貴社では、資本市場からどのように評価されることを期待しますか?
 また、それを実現させる自信をお持ちですか?

 今後少子高齢化など外食産業が難しい局面におかれても、ジョイフルは一歩一歩、着実に成長を遂げる企業でありたいと考えています。一過性の流行を作る最先端の企業ではなく、その流行が過ぎ去ったあとに一部定着する文化のようなものを愚直に追いかけていくことが、私たちにしかできない価値であり強みです。それゆえに経営にブレはありません。株主様にはその点をご理解いただき、ご支援をいただければと考えております。

●資料請求・問い合わせ先
株式会社ジョイフル 総務部
〒870-0141 大分県大分市三川新町一丁目1-45
TEL:097-551-7131 FAX:097-551-7369
https://www.joyfull.co.jp/


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