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【注目】前週末24日に「売られた株!」総ザライ (1) ―本日への影響は?―

アートSHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■アートSHD <3663>  1,566円 (-333円、-17.5%) 一時ストップ安

 アートスパークホールディングス <3663> [東証2]が反落。23日の取引終了後、連結子会社エイチアイが保有するエイチアイ関西の全株式(所有割合91.7%)を譲渡すると発表。これにより連結決算で1500万円の特別損失発生が見込まれるとしていることから、業績下振れ懸念が高まったようだ。なお、譲渡は7月中を予定している。

■シャープ <6753>  111円 (-22円、-16.5%)

 東証1部の下落率3位。シャープ <6753> が急反落。東京証券取引所が23日の取引終了後、同社株を8月1日付で東証1部から東証2部市場に指定替えすると発表しており、これを嫌気した売りが出た。同社が同日付で提出した有価証券報告書で、債務超過の状態であることが確認されたためとしている。また、あわせて上場廃止にかかる猶予期間銘柄(債務超過)に指定したことも弱材料視された。猶予期間は16年4月1日から17年3月31日まで。

■ユニゾホールディングス <3258>  4,025円 (-520円、-11.4%)

 23日、ユニゾホールディングス <3258> が345万株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限51万株の第三者割当増資の実施を発表したことが売り材料。新株発行が最大で発行済み株式数の19.9%におよぶ規模とあって、株式価値の希薄化や株式の需給悪化が懸念された。発行価格は7月4日から6日までのいずれかの日に決定する。最大で172億8600万円の調達資金については、国内外の収益不動産への新規投資や新規ホテル展開の資金に充てる。

■トプコン <7732>  1,000円 (-122円、-10.9%)

 トプコン <7732> が反落。24日、同社が50.1%の株式を保有する独ifaシステムズと、その子会社である米イノベオン社のトプコングループ3社と、米IBMが、IBM Watson Healthの眼科領域における複数年にわたるパートナーシップを締結したと発表したが、全般相場の急落に押される格好となっている。今回のパートナーシップにより、IBM社のコグニティブプラットフォームを活用したシステムの開発が可能となるという。また、トプコンが得意とする眼科診断機器とifa社のコード化かつ構造化されたデータで運用される眼科用電子カルテ、さらにイノベオン社の遠隔診断システムを組み合わせることで、さまざまな検査・画像・診断データをIBM「Watson Health」システムに絶え間なく蓄積することを実現するとしており、今後の新たなビジネスモデルを創出や、これまでにない製品・サービスの提供を実現するとしている。

■日立製作所 <6501>  434.2円 (-49.8円、-10.3%)

 日立製作所 <6501> や日産自動車 <7201> が反落。英国に重要な工場を構える「英国関連株」とみられてきたが、欧州連合(EU)からの離脱の是非を巡る英国民投票の開票が進むなか、売りが先行した。残留派と離脱派の票数が拮抗しているほか、前日の上昇で利益確定売りも出た。欧州関連株のマツダ <7261> やセイコーエプソン <6724> も安い。

■洋缶HD <5901>  1,887円 (-206円、-9.8%)

 東洋製缶グループホールディングス <5901> が急反落。国内大手証券はリポートで、中期経営計画の目標であるROE4%に向けた具体的な施策やホッカンホールディングス <5902> との統合によるシナジーの詳細などが明らかになるまでは積極的な投資スタンスは取りづらいと紹介。ただ、洋缶HDは円高による輸入原材料のコスト下落の恩恵を受けやすく、17年3月期の会社計画に対する上振れ余地もある点や4-6月期の通期業績に対する進捗度も高くなると予想される点は、短期的には評価できようと解説。レーティングは「ニュートラル」を継続。目標株価は2200円から2150円へ調整している。

■日本取引所グループ <8697>  1,130円 (-121円、-9.7%)

 日本取引所グループ <8697> が後場に入って一段安となり、年初来安値を更新。英国民投票で欧州連合(EU)からの離脱派が優勢と伝わり、市場参加者の間でリスクオフ姿勢が台頭している。日経平均株価は一時1万5000円の大台を割り込み、相場の先行き不透明感が強まり同社の取引関連収益への影響などが懸念されたようだ。

■東京海上 <8766>  3,227円 (-332円、-9.3%)

 東京海上ホールディングス <8766> が急反落し2月12日につけた年初来安値3310円を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券がリリースしたリポートによると、昨年買収した米HCC社の新規連結効果など海外事業の拡大が順調であり、中期的な大幅増配の基本シナリオに変更はないと紹介。修正PBRは0.57倍(16年6月10日時点)と過去3年の平均値0.68倍、過去5年の平均値0.65倍を下回り割安感が強いと指摘。レーティングは「オーバーウエイト」を継続。目標株価は5250円から5400円へ引き上げている。

■GSユアサ <6674>  370円 (-35円、-8.6%)

 ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> が反落。クレディ・スイス証券では、車載バッテリーを収益の主軸に置く同社にとって、自動車電動化トレンドは事業環境として良好と指摘。それでも、車載LiB市場は競合メーカーが多数存在、新規拡販によるシェアの拡大が厳しい環境にあると考え、鉛蓄電池は成熟市場で高付加価値製品への置き換えが必要と解説。レーティング「ニュートラル」、目標株価450円でカバレッジを開始している。

■三菱UFJ <8306>  470円 (-44円、-8.6%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> などメガバンクが急落。英国の国民投票は欧州連合(EU)からの離脱派の勝利が確実となったと、BBCなど英メディアが報じた。これを受け、メガバンクにはリスクオフからの売りが膨らみ、東京株式市場は全面安商状となった。

■新生銀行 <8303>  147円 (-13円、-8.1%)

 新生銀行 <8303> の決算後の訪問取材をした国内大手証券アナリストがレーティング「BUY」継続とリポートをリリース。株主還元強化への体制をポジティブに評価しているようだ。野村証券からのアナリストリポートでは、新生銀行のレーティング「BUY」を継続、目標株価270円から250円に変更すると発表した。2016年3月期の実績でPBRは0.5倍と割安感が強く、株主還元強化への姿勢をポジティブに評価とコメントしている。アナリストは17年3月期会社計画親会社株主利益は保守的な前提に基づいているものとみて、計画比30億円強上振れると想定している。

■味の素 <2802>  2,313円 (-203円、-8.1%)

 味の素 <2802> が3日続落。同社は23日、連結子会社のインドネシア味の素社を通じて約3077億インドネシアルピア(約25億円)を投じて、カラワン工場内(ジャワ島西部)にメニュー用調味料「Sajiku(サジク)」の生産工場を新設することを発表したが株価は全般の軟調地合いに押された。今回の新設により既存のモジョケルト工場(ジャワ島東部)との合計で生産能力を約80%増強する。旺盛な需要に対応するとともに、二拠点で生産することにより、インドネシア全土への安定的・効率的な供給体制を確立する。

■住友重機械工業 <6302>  448円 (-38円、-7.8%)

 住友重機械工業 <6302> が反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、中国スマホ向け特需の発生したプラスチック機械の反動減は株価に既に織り込まれたと指摘。プラスチック機械は、非IT向けの伸長で反動減が同証券の想定以下にとどまっていると推測し、中型減速機での受注は堅調と解説。レーティングを「アンダーウエイト」から「ニュートラル」に、目標株価を450円から500円に引き上げている。


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