【市況】前場に注目すべき3つのポイント~英国のEU離脱問題を見極め、短期的な売買に振らされやすい
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
20日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:英国のEU離脱問題を見極め、短期的な売買に振らされやすい
■外資系証券の注文動向:差し引き280万株の買い越し
■前場の注目材料:ゆうちょ銀行、運用難でリスク資産へ6兆円
■英国のEU離脱問題を見極め、短期的な売買に振らされやすい
20日の日本株市場は底堅い相場展開が見込まれる。17日の米国市場は下落。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票を翌週に控え、持ち高調整の売りが先行。世界的な先行き不透明感も株価の重しとなり、終日軟調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の15550円だった。
23日にEU離脱を巡る英国の国民投票を迎える。先週はEU残留支持の女性議員が銃撃され死亡したと報じられるなか、同情票から残留支持に一気に傾くのではないか、との声も聞かれていた。市場関係者の見方としては、大接戦の中で結局は残留とみる向きが大勢のようだ。週後半の欧州市場の自律反発の流れも、やや楽観的な見方に向かわせた感はある。
投票に向け世論調査結果によって残留支持が優勢となるようだと、残留決定後の相場反転を意識した物色が強まりやすいだろう。一方で、ギリギリまで大勢が掴めないようだと、リスク回避の流れが強まりやすい。結果を見極めるまでは積極的な売買は手控えられ、世論調査の結果を睨みながら短期的な売買に振らされやすいだろう。
なお、EU残留決定となれば、短期的にはインデックスに絡んだ商いでのリバウンドも意識されるが、日経平均は先週の下げで支持線として意識されていた16500円、16000円のほか、15500円を割り込んでいる。4月安値とのボトム形成は意識される可能性がありそうだが、5月安値の16000円処での戻り売り圧力の強さが意識されやすいだろう。中長期的な資金の本格参入は期待しづらく、しばらくは短期資金による商いにより、ボラティリティの大きい相場展開が続こう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■外資系証券の注文動向:差し引き280万株の買い越し
朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り970万株、買い1250万株、差し引き280万株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。
6月13日(月):10万株の売り越し
6月14日(火):320万株の買い越し
6月15日(水):120万株の買い越し
6月16日(木):100万株の売り越し
6月17日(金):60万株の買い越し
■前場の注目材料
・NYダウ下落(17675.16、-57.94)・NY原油(47.98、+1.77)
・羽田飛行ルート見直し、6500億円の経済効果
・ゆうちょ銀行、運用難でリスク資産へ6兆円
・高性能半導体の研究開発が進む
・サムスン、アップルに有機EL供給へ
・ネットスーパーの利用拡大、各社が事業強化
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 5月貿易収支(予想:+700億円、4月:+8232億円)
<海外>
・特になし
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