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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~雲の中でのこう着が続くなか、マザーズ銘柄での値幅取り

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・雲の中でのこう着が続くなか、マザーズ銘柄での値幅取り
・ドル・円は107円05銭付近、ドル弱含み、株安を受けリスク回避の動き
・東京電力、DeNA、三菱UFJなど14社の目標株価変更



■雲の中でのこう着が続くなか、マザーズ銘柄での値幅取り


日経平均は反落。55.27円安の16620.18円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えた。7日の米国市場ではNYダウが一時18000ドルを回復したほか、原油相場の50ドル乗せを背景に続伸で始まった。しかし、債券市場や為替市場を睨みながらの展開となるなか、その後はこう着感が強まっている。前引けにかけては円相場が再び1ドル106円台に突入するなか、日経平均はマイナス圏に。

セクターでは石油石炭、空運、パルプ紙、鉱業、海運がしっかり。半面、保険、鉄鋼、その他金融、非鉄金属、ガラス土石、不動産が冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1100を超えており、全体の過半数を占めている。売買代金上位では、ブランジスタ<6176>、グリーンペプタイド<4594>、SOSEI<4565>、アキュセラ<4589>、ファナック<6954>がしっかり。

日経平均は下げに転じているが、一目均衡表ではちょうど雲の中での推移をみせている。寄り付き直後に雲上限を捉える場面もみられたが、これに跳ね返される格好から、雲下限に接近している。この雲を上下いずれかに放れる動きをみせてくるかを見極めたいところである。遅行スパンについては、実線の切り下がりによって上方転換シグナルを発生してくる。

もっとも、後場も引き続き債券市場と為替市場を睨みながらの展開。また、先物オプションSQを控えていることから、大きなトレンドは出難いだろう。為替動向からは売り仕掛けが出やすい局面とみられるが、来週には日銀の金融政策決定会合を控えていることもあり、仕掛けづらいであろう。日経平均は雲の中でのこう着が続くなか、マザーズ銘柄などでの短期的な値幅取り狙いが中心になろう。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は107円05銭付近、ドル弱含み、株安を受けリスク回避の動き


8日午前の東京外為市場では、ドル・円は弱含む展開となった。日本株安を受けリスク回避的な動きが広がった。

日経平均株価が小幅安で推移しリスク回避的なドル売りが観測され、ドル・円は一時106円72銭まで売られた。その後、昼にかけては106円90銭台で下げ渋る展開となった。

ランチタイムの日経平均先物や足元の上海総合指数はマイナス圏推移となっており日本株は一段安の可能性もあるため、目先のドルの下げ幅はやや拡大するとの見方が出ている。
ここまでドル・円は106円72銭から107円39銭、ユーロ・ドルは1.1355ドルから1.1371ドル、ユーロ・円は121円34銭から121円97銭で推移。

12時16分時点のドル・円は107円05銭、ユーロ・円は121円69銭、ポンド・円は155円77銭、豪ドル・円は79円81銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄

・菅官房長官「国内景気は緩やかな回復基調が続いている」
・東京電力<9501>、DeNA<2432>、三菱UFJ<8306>など14社の目標株価変更


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 5月景気ウォッチャー調査・現状(予想:43.4、4月:43.5)


<海外>
・時間未定 中・5月輸出(前年比予想:-4.0%、4月:-1.8%)
・時間未定 中・5月輸入(前年比予想:-6.8%、4月:-10.9%)

《WA》

 提供:フィスコ

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