【市況】9日の米国市場ダイジェスト：ダウは34ドル安、原油相場の下落が重し

■NY株式：ダウは34ドル安、原油相場の下落が重し

NYダウ　　　　　　　ナスダック
終値　：17705.91　　終値　：4750.21
前日比：-34.72 　　 前日比：+14.05
始値　：17743.85　　始値　：4736.35
高値　：17783.16　　高値　：4771.94
安値　：17668.38　　安値　：4735.06

9日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は34.72ドル安の17705.91、ナスダックは14.05ポイント高の4750.21で取引を終了した。サウジアラビアのヌアイミ石油相の退任で、主要産油国の増産凍結が困難との見方を受けた原油相場の下落で売りが先行。金融や資源関連に売りが広がる一方で、下落の目立っていた医薬品やハイテクなどに買い戻しが広がり小動きの展開となった。セクター別では、医薬品・バイオテクノロジーや食品・生活必需品小売が上昇する一方で素材やエネルギーが下落した。

インターネット金融サービス会社のレンディングクラブ(LC)は社内調査で不正が発覚したルノーCEO及び複数幹部の更迭を発表し、大幅下落。メディアのトリビューン・パブリッシング(TPUB)はニュース・情報会社のガネット(GCI)の買収提案を拒否し、軟調推移。短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は情報機関へのデータ分析サービス提供を中止し、売られた。一方で、食肉メーカーのタイソンフーズ(TSN)は決算内容が好感され、上昇した。

シカゴ連銀総裁は、インフレ目標を達成するためには目標値である2％を超えるインフレ率上昇を目指すべきとの認識を示した。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替：ドル・円は108円33銭、米FOMCは依然利上げの軌道上、ドル買い再燃

9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円17銭から108円60銭まで上昇し108円33銭で引けた。NY連銀のダドリー総裁がNYタイムズ紙とのインタビューで、「4月雇用統計で見通しを変更せず、年2回の利上げが依然妥当」との見解を示したことや、米・4月労働市場情勢指数（LMCI）が3月から改善したことなどを受けて、米連邦公開市場委員会（FOMC）が依然利上げの軌道上にあるとの見方から、ドル買いが再燃。ストップを巻き込み上昇した。

ユーロ・ドルは、1.1414ドルへ上昇後、1.1379ドルへ下落し1.1382ドルで引けた。欧米金利差の拡大観測を受けてユーロ売り、ドル買いが再燃。ユーロ・円は、123円23銭から123円71銭へ上昇した。日本の当局による介入警戒感に円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.4441ドルから1.4384ドルへ下落。ドル・スイスは、0.9686フランから0.9715フランへ上昇した。


■NY原油：反落で43.44ドル、山火事、サウジ、中国に絡む需給思惑で売り

NY原油は反落(NYMEX原油6月限終値：43.44↓1.22)。44.45ドルから43.27ドルまで下落した。カナダの大規模な山火事が天候の変化により、オイルサンド施設から遠ざかる見通しになったとの観測を受けて、操業縮小は早晩終了し、生産回復に向かうとの見方が売りにつながったもよう。

また、サウジアラビアの石油相交代により(ムハンマド副皇太子がエネルギー政策掌握へ)、6月のOPEC総会での増産凍結合意は難しくなったとの観測。中国の4月輸出入の減少(景気減速)による需要後退懸念なども、売り材料になった可能性。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比（騰落率）

バンクオブアメリカ（BAC） 　13.99ドル　-0.12ドル（-0.85％）
モルガン・スタンレー（MS）　26.10ドル　-0.15ドル（-0.57％）
ゴールドマン・サックス（GS）157.51ドル　-1.32ドル（-0.83％）
インテル（INTC）　　　　　　29.80ドル　-0.24ドル（-0.80％）
アップル（AAPL）　　　　　　92.79ドル　+0.07ドル（+0.08％）
アルファベット（GOOG）　　　729.13ドル　+3.95ドル（+0.54％）
フェイスブック（FB）　　　　119.24ドル　-0.25ドル（-0.21％）
キャタピラー（CAT） 　　　　70.79ドル　-2.57ドル（-3.50％）
アルコア（AA）　　　　　　　9.46ドル　-0.58ドル（-5.78％）
ウォルマート（WMT） 　　　　68.96ドル　+0.71ドル（+1.04％）
スプリント（S） 　　　　　　3.40ドル　-0.13ドル（-3.81％）

《NO》

　提供：フィスコ