【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):出光興産、FFRI、、サイバダイン、商船三井
出光興産 <日足> 「株探」多機能チャートより
ファンケル<4921>が急伸。同社は無添加化粧品を手掛けるほか、健康食品(栄養補助食品)にも展開する。広告効果から足もとの売り上げが好調に伸びている。同社が20日発表した3月度の月次売上高は前年同月比15.1%増の83億8100万円と2ケタ伸長をみせた。栄養補助食品の伸びが顕著で売り上げに寄与している。これを受けて買いに勢いがついた。信用取組は買い残が枯れており、信用倍率0.2倍台と大幅に売り長の状態にあることも需給面で株高を後押ししている。
■出光興産 <5019> 2,354円 +113 円 (+5.0%) 本日終値
出光興産<5019>が急伸。4月6日に1800円台割れで底値を確認、7日以降は連日の上値追いでほとんど押し目を形成せずに2300円台まで駆け上がった。足もと原油市況が回復歩調にあることは石油元売り大手の同社にとって追い風だが、業界他社と比較しても戻り足の強さは異彩を放つ。19日発表の16年3月期業績の修正では、原油価格下落による在庫評価損などの直撃により、営業損益段階で従来予想の30億円の黒字から195億円の赤字に、最終損益は130億円の赤字予想が、360億円の赤字へ大きく拡大するとしたが、典型的な悪材料出尽くしの格好となった。信用取組は買い残が枯れ切った状態で、国内大手証券の強気のレーティング継続と目標株価の引き上げなどもあり、売り方買い戻しの引き金を引いた。有機EL部材では発光体、電子輸送材、正孔輸送材、正孔注入材を一括供給できるのが強みで「発光体は3原色の蛍光型をすべてカバー、燐光型も青色以外を展開している」(業界担当アナリスト)ことから、有機EL採用の方針を示す米アップル向けなどで今後需要をとらえる可能性が指摘される。
■FFRI <3692> 5,360円 +250 円 (+4.9%) 本日終値
FFRI<3692>が後場一段高。同社はきょう、マルウエア自動解析ツールの新バーション「FFR yarai analyzer Version1.5」の出荷を開始したと発表した。今回のバージョンでは、解析エンジンのアップデートによってマルウエア検出力を強化したほか、スナップショット指定機能の追加やレポート・管理機能を拡充している。
■CYBERDYNE <7779> 2,550円 +109 円 (+4.5%) 本日終値
CYBERDYNE<7779>が反発。20日の取引終了後、昨年に続いて、日本医療研究開発機構(AMED)の長寿・障害総合研究事業障害者対策総合研究開発事業における研究開発の委託研究開発契約を締結すると発表しており、これを好感した買いが入っている。今回、委託研究開発契約を締結したのは、「進行したALS患者等を含む障害者のコミュニケーション支援機器の開発」について。16年度は重篤な状態の筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなどの神経・筋疾患や高位脊髄損傷、四肢麻痺などの患者が発生する生体電位信号を計測し、意思提示装置(パソコンなど)とのインタラクションを実現できる装置の評価と製品化の準備を行うとしている。なお、委託期間は4月1日から来年3月31日まで。委託研究開発費(予定)は1000万円で、17年3月期において営業外収益に計上される見込みという。
■商船三井 <9104> 272円 +10 円 (+3.8%) 本日終値
商船三井<9104>が3日続伸。SMBC日興証券では、コンテナ市況や為替影響などには厳しさが残っているとみて、リスクの再認識が必要な局面と指摘。ドライバルク市況の改善が更に進めば株価上昇のカタリストになるとみているものの、コンテナ市況については、海運各社にとって年間契約の更改が厳しい条件になると解説。レーティングを「1」から「2」に引き下げ、目標株価は240円を継続している。
■日本特殊陶業 <5334> 2,317円 +77 円 (+3.4%) 本日終値
日本特殊陶業<5334>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、円高影響の大きさに加え、固定費負担の重さなどにより株価の上値は重いと指摘。17年3月期営業利益は1ドル=110円でも2ケタ減益が避けられないと予想し、赤字事業の半導体関連においてセラミックPKGの構造改革の具体策が本決算まで持ち越されるとなった点は懸念事項と解説。レーティング「ニュートラル」を継続、目標株価を3100円から2300円に引き下げている。
■アステラス製薬 <4503> 1,565円 +47 円 (+3.1%) 本日終値
アステラス製薬<4503>が堅調。同社はこの日、午前10時30分にPCSK9阻害薬「レパーサ皮下注140ミリグラム シリンジ」〔一般名はエボロクマブ(遺伝子組換え)〕の発売を開始したことを発表した。レパーサは、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA 還元酵素阻害剤(スタチン)で効果不十分な、家族性高コレステロール血症(FH)または高コレステロール血症を効能・効果とした皮下注射剤。アステラス・アムジェン・バイオファーマと共同でプロモーションを行っていく。
■あすか製薬 <4514> 1,488円 +42 円 (+2.9%) 本日終値
あすか製薬<4514>が反発。午前9時ごろ、黄体ホルモン製剤「ルテウム腟用坐剤400mg」を発売したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。同剤は、プロゲステロン400ミリグラムを含有する経腟黄体ホルモン製剤で、不妊治療のための生殖補助医療実施時に行う黄体補充を目的とした薬剤。3月28日に製造販売承認を取得したが、全国で不妊治療への助成が拡充される傾向にあることから、注目されていた。
■オンコセラピ <4564> 363円 +10 円 (+2.8%) 本日終値
オンコセラピー・サイエンス<4564>が反発。この日寄り前に、米国で実施中のMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)阻害剤「OTS167」の固形がんに対する第1相臨床試験の患者登録が終了したと発表しており、開発の順調な進捗を好感した買いが入っている。同試験は、米国シカゴ大学において、固形がんを対象として、初めて患者に「OTS167」が投与された試験(ファースト・イン・ヒューマン)。静脈内投与における安全性と薬物動態の確認を行うことを目的としたもので、患者登録は、13年8月より開始され、これまでに32人の患者が参加し、中用量までの患者の登録を完了した。また、同試験で得られたデータは「OTS167」の後続する臨床試験計画と製剤開発に大きな意義をもたらしており、オーストラリアでは、経口投与による健常成人を対象とした第1相臨床試験でヒトでの良好な消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)を確認。急性骨髄性白血病に対する第1/2相臨床試験も開始されており、このことから当初の試験目的(安全性と薬物動態の確認)は達成されたと判断し、患者登録を終了したという。
株探ニュース