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【特集】“バーチャル・リアリティ時代”幕開け <株探トップ特集>

プレイステーション ヴィーアール(PS VR)

―エンタメ分野などで本格的普及始まる―

 VR(Virtual Reality、バーチャル・リアリティ=仮想現実)技術を活用したさまざまな取り組みが本格的に動きだしてきた。コンピューターで作った3次元の仮想現実空間を人が実際にその空間の一部になって、動くことが出来るVR技術は、これまで航空機や医療現場のシミュレートなど業務用で活用されてきたが、今年に入ってアトラクションやゲームなどエンタテインメントの分野で新たなサービスが相次いで発表されている。

●現実世界から完全に遮断し仮想現実を体感

 VR技術が身近なものとなってきた背景にはVR対応のヘッドマウントディスプレー(ヘッドセット、ゴーグル)の高性能化とコストダウンが進んだことが大きい。VR対応ヘッドセットで目を完全に覆い外の世界を完全に見えなくし、ヘッドフォンと併用して「視覚」、「聴覚」を制御することで現実の世界から完全に遮断することにより仮想現実の世界を体感することを可能にしている。

 迫力ある画面が360度の視界で広がる半面、眼球疲労などが課題となっていたが、改良が進められてきたことでこれらの問題もクリアされ、VR対応ヘッドセットは一般消費者が購入できるレベルにまで低価格化が進んでいる。

●バンナムHDは期間限定でアトラクション

 このVR技術が今年に入ってテーマパークなどのアトラクションで採用の動きが活発化している。その筆頭が今年1月15日からスタートしたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の「ユニバーサル・クールジャパン 2016」で期間限定で導入された新アトラクション「きゃりーぱみゅぱみゅ XRライド」。VRヘッドセットを装着してライドに乗り込むことで、仮想世界に迫力ある動きとサウンドとともに没入することを実現、アトラクション導入後は長蛇の列ができる人気となった。

 VR技術を応用したエンターテインメント施設では、バンダイナムコホールディングス <7832> 傘下のナムコも「VR ZONE Project i Can」を、4月15日から約半年間の期間限定で、ダイバーシティ東京プラザ(東京都江東区)の3階にオープンする予定。この施設は、「VRエンターテインメント研究施設」として位置づけ、ビル高層階に突き出た板での歩行などオープン時に6種類のVRアクティビティを揃え、VRゴーグルを用いないアクティビティも用意。VRアクティビティを体験した顧客からのさまざまな意見を研究に反映させ、VRエンターテインメントのさらなる可能性を追求していく。この施設での取り組みをVR対応の家庭用ゲームの開発などに活用していくとみられる。

 また、グリー <3632> は3月10日にHTC Corporation(台湾)と、日本国内におけるバーチャルリアリティーで業務連携している。業務連携を通じて、国内のアミューズメント・レジャー施設(テーマパーク・アミューズメント施設・カラオケ・ショッピングセンターなど)に、VR体験の提供を共同で推進していく方針を打ち出している。大日本印刷 <7912> は、イベントなどで使用するVR動画の制作と、そのVR動画を鑑賞するスマートフォン用の紙製ヘッドマウントディスプレーを提供するサービス「DNPカートンVRスマートフォンシアター」を3月10日から開始している。スマートフォンをセットしたヘッドマウントディスプレーで、360度シアター感覚でVR動画や静止画などのコンテンツを楽しめるもので、紙製のヘッドマウントディスプレーは、折りたたみ式で運搬しやすく、外装に装飾印刷も可能で、製造も簡単なことからイベントでの採用増が期待できそうだ。

●低価格で普及期待の「PS VR」

 一方、家庭用ゲーム機ではソニー <6758> 傘下のソニー・インタラクティブエンタテインメントが「プレイステーション4」対応のVRシステム「プレイステーション ヴィーアール(PS VR)を今年10月から日本、北米、欧州、アジアの各国で発売することが話題を集めている。

 VRヘッドセットとプロセッサーユニットで構成された製品の希望小売価格は4万4980円と、10万円を超える海外メーカー製の半値以下と安価に設定されたことで普及に弾みが付くとの期待が高い。PS VR対応ソフトの参入メーカーにはバンナムHDやカプコン <9697> 、スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> など大手ソフトウエアメーカーからインディーズ(独立系)開発者まで、230社以上が参入を表明。今後は発売前の9月に開催される「東京ゲームショウ2016」での一般公開に期待が高まる。現状では未定ながら「例年なら、開催の1~2週間ほど前に出展概要を案内している」(SCE広報部)としており、実機が一般公開されれば消費者の関心は一段と高まりそうだ。

 また、スマホゲームを主力とするソフトメーカーではコロプラ <3668> がVRゲームの投入に意欲を見せている。同社は米国のOculus VR社が開発した、バーチャルリアリティー体験ができるヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift」向けに新作VRゲーム「Fly to KUMA」と「VR Tennis Online」の配信を今年春に予定している。また、今年1月に設立した世界最大級のバーチャルリアリティーファンド「コロプラネクスト2号ファンド投資事業組合(Colopl VR Fund」を通じて眼の機能に着目した独自のVRハードウェアを開発するFOVE(米国カリフォルニア州)への出資も行っている。コロプラはPS VRへの参入企業にも名を連ねており、VR対応ゲームを幅広く展開する模様。


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