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【市況】今週の【早わかり株式市況】 膠着相場が安値方向にブレイクアウト。景況感悪化と円高で

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

今週の株式市場は、1ヵ月続いた膠着相場が安値方向にブレイクアウト。景況感悪化と円高を嫌気

 週初の3月28日は前週末の為替市場が円安・ドル高に振れ、週明けも円安が進んだことから輸出関連株の買いが継続し、日経平均株価は2日続伸となった。

翌29日は3日ぶりに反落したものの、下値には押し目買いが入り底堅く、3月期末の配当権利落ち分を考慮すると実質的には上昇となった。30日は米FRBのイエレン議長の発言で米国の早期利上げ観測が後退し、為替が円高基調に転じたことから日経平均は再び1万7000円を割り込んだ。日米で重要な経済指標の発表を控えて様子見姿勢が強い中、31日には期末の持ち高調整売りも加わり、軟調な展開が続いた。

 名実ともに新年度入りした週末は取引開始前に発表された日銀短観で大企業の景況感が悪化したことが嫌気され、幅広く売りが膨らみ全33業種が下げ、日経平均は大幅に4日続落した。円高が進んだことも重しとなった。

 日経平均株価は、前週比838円(4.93%)安の1万6164円と3月1日以来1ヵ月ぶりの安値まで下げ、大幅に反落して取引を終えた。1ヵ月近く続いた膠着相場は安値方向にブレイクアウトする結果となった。週間の振れ幅は1054円と、前週の298円から大幅に拡大した。


 来週は、中国をはじめとした世界景気減速を背景に企業業績の先行き不透明感が強まっているうえ、円高がさらに進んでおり、底値を探る展開となりそうだ。重要イベントとしては、国内では6日14時に発表される2月の景気動向指数が注目される。海外では6日発表のFOMC議事録に注視したい。

◆マーケット・トレンド(3月28日~4月1日)

【↑】 3月28日(月)―― 半月ぶり1万7100円回復、円安・権利取りで続伸
 日経平均 17134.37( +131.62)  売買高18億4515万株 売買代金 1兆9283億円

【↓】 3月29日(火)―― 3日ぶり反落も、権利落ち考慮では実質上昇
 日経平均 17103.53( -30.84)  売買高17億5085万株 売買代金 1兆8382億円

【↓】 3月30日(水)―― 続落し1万7000円割れ、円高を嫌気
 日経平均 16878.96( -224.57)  売買高19億1183万株 売買代金 2兆0004億円

【↓】 3月31日(木)―― 持ち高調整売りで3日続落、円高・お化粧買い不発で警戒感
 日経平均 16758.67( -120.29)  売買高22億2549万株 売買代金 2兆3073億円

【↓】 4月 1日(金)―― 日銀短観悪化を嫌気し594円安、大幅に4日続落
 日経平均 16164.16( -594.51)  売買高25億7927万株 売買代金 2兆6570億円

◆セクター・トレンド(3月28日~4月1日)

(1)全33業種が急落、全業種下落は2月2週以来
(2)原油安で国際石開帝石 <1605> など鉱業、三菱商 <8058> など大手商社といった資源関連株が売られた
(3)東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は下げがきつい
(4)住友電 <5802> など非鉄、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった素材株も大幅安
(5)トヨタ <7203> など自動車、村田製 <6981> など電機といった輸出株は反落
(6)日本郵政 <6178> などサービス、セブン&アイ <3382> など小売りといった内需株もさえない

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