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2016年03月18日19時00分

【特集】太田千尋氏【暗雲振り払えるか、新年度相場!】(1) <相場観特集>

太田千尋氏(SMBC日興証券株式会社 投資情報部 部長)

 3月も中旬を過ぎ、東京株式市場もいよいよ期末の着地点を意識する展開となってきた。同時に4月から始まる新年度相場の行方にマーケットの思惑が錯綜する。金融や財政などアベノミクスへの政策期待も絡め投資家の興味は17年3月期の企業業績に向かう。外国人投資家の売り攻勢や足もと激しく動く為替動向を横目に、方向感が定まらない株式市場の新年度の足取りはどうなるのか、市場第一線で活躍する関係者に聞いた。

●「消費増税延期なら株価上振れ期待も」

太田千尋氏(SMBC日興証券株式会社 投資情報部 部長)

 新年度相場については、秋ごろまでは低調ながら年度後半は持ち直す展開を想定している。まず一つのヤマ場となるのは、4月下旬から5月にかけて企業の16年3月期決算発表が出揃う時期であろう。

 17年3月期の企業業績見通しについてSMBC日興証券では1ドル=110円、1ユーロ=125円を前提に全産業ベースで5.4%経常増益を見込んでいる。しかし、決算発表時に出てくる企業側の業績見通しは経営者マインドを反映してかなり保守的な内容となることが想定される。おそらく全体をまとめれば減益予想ということになっても全く不思議はなく、企業側のガイダンスの弱さがその後の相場に与えるマイナス影響は大きそうだ。下値メドとして日経平均はPBR1倍水準である1万5000円前後の水準が意識される展開となる可能性も否定できない。

 しかし、秋口以降は米国景気の復調を見込んでおり、ドル高・円安への転換なども想定されるなか、日経平均は1万8000~1万9000円水準への回復が見込まれる。

 ただし、7月の参院選を控えて、安倍政権は財政面からの景気刺激策を打たざるを得ないという事情がある。注目はいうまでもなく消費増税の延期で、これが現実味を帯びてくれば株式市場にも多大なインパクトがあろう。その場合は、バリュエーションが拡大する形で株価は上振れることになろう。

 新年度相場から話題はそれるが、足もとで円・ドル相場が揺れている。約1カ月のもち合いを円高方向に放れたことは株式市場の重荷にならざるを得ない。介入への警戒感や追加緩和観測なども出始めており、政策当局のスタンスがカギを握ることになりそうだ。

 なお、需給面で外国人投資家が3月第2週に過去最高水準の1兆2000億円弱に及んだが、これについてはメジャーSQの週であった要因が大きいと考えている。原油価格の持ち直しにつれて、オイルマネーとみられる売りは影を潜めており、過度に警戒する必要はないだろう。

 物色対象としては、年度前半でみれば、やはり内需系が優位性を発揮しやすい。建設やゲーム関連、ITサービス分野に展開する企業のほか、ディフェンシブセクターの医薬品などにも活躍余地がありそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおた・ちひろ)
1985年日興證券入社。投資情報部、金融法人営業部、日興ソロモン・スミス・バーニー証券(現シティグループ証券)出向(リサーチ部門)、エクイティマーケティング部、株式アドバイスセンター、機関投資家営業部を経て、2013年10月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。

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