【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
J・TECの日足チャート 「株探」多機能チャートより
■J・TEC <7774> [JQG] 1,361円 (-177円、-11.5%)
J・TEC <7774> [JQG]が急反落。15日の取引終了後、16年3月期の単独業績見通しについて、売上高を17億3400万円から14億2500万円(前期比7.9%増)へ、営業損益を7億7300万円の赤字から8億9500万円の赤字(前期9億1300万円の赤字)へ下方修正しており、これを嫌気した売りが出ているようだ。受注に波があること、また、出荷前製造中止率が高めに推移していることから自家培養表皮ジェイスの売り上げが計画を下回っていることに加えて、適応症例の獲得に至っていない施設が多いことから自家培養軟骨ジャックの販売も想定を下回っており、これらが業績を下振れさせる。
■安藤・間 <1719> 538円 (-41円、-7.1%)
東証1部の下落率3位。15日、安藤ハザマ <1719> が100億円の新株予約権付き社債(転換社債=CB)を発行すると発表したことが売り材料。転換価格は677円で、発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は7.98%になる見込みで、将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を警戒する売りが向かった。調達資金のうち32億円をトンネル掘削用機械など土木建設用機械の取得に、27億円を技術研究所の増設・改修や研究開発に投じる。残りは人材育成や借入金の返済に充てる。
■DMG森精機 <6141> 1,100円 (-53円、-4.6%)
クレディ・スイス証券の工作機械セクターのリポートでは、配当利回りも魅力的ではなく受注再加速も期待薄の状況と指摘。リスク・オン・モードではショートカバーを背景に株価が大きく上昇するものの、買い上がる状況ではないとみて、当面は受注の方向感を見極める様子見モードが続きそうと解説。18年3月期以降は受注減局面が到来するとの見方を継続して、銘柄選好順位を、DMG森精機 <6141> 、アマダHD <6113> 、オークマ <6103> 、ファナック <6954> の順に設定している。
■三菱UFJ <8306> 549.3円 (-20.5円、-3.6%)
三菱UFJ <8306> 、三井住友FG <8316> 、みずほFG <8411> などメガバンク株が軟調。16日午前の衆院財務金融委員会に出席した黒田日銀総裁がマイナス金利について「理論的にはマイナス0.5%まで下げる余地がある」という旨の発言したことが伝わり、改めて売りが優勢となった。マイナス金利は不動産など金利敏感セクターには追い風要因として働くものの、銀行セクターには収益圧迫懸念と捉えられ、1月29日の金融政策決定会合でマイナス金利導入が決定された後、下値模索の動きを余儀なくされた経緯がある。
■オークマ <6103> 827円 (-28円、-3.3%)
オークマ <6103> が続落。クレディ・スイス証券では、国内補助金の規模は予想以上に小さいことや海外景況感の悪化もあり、月次受注の再加速期待は薄れたと指摘。自社株取得期待(前回は14年11月に株価900円割れで実施)があることから下値リスクは少ないと見ているものの、ショートカバー以外に株価が上昇に転じる状況はなさそうと解説。レーティングを「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に、目標株価を1400円から900円に引き下げている。
■ゼビオHD <8281> 1,896円 (-54円、-2.8%)
ゼビオHD <8281> が続落。15日の取引終了後、16年3月期連結業績見通しについて、売上高を2312億300万円から2208億2500万円(前期比4.8%増)へ、営業利益を94億3700万円から58億8800万円(同4.1%増)へ下方修正しており、これを嫌気した売りが出ている。暖冬によるウインター商品の販売不振に加えて、在庫適正化に向けた施策の実行などが響いたという。
■ファナック <6954> 17,630円 (-345円、-1.9%)
ファナック <6954> が続落。クレディ・スイス証券では、iPhone7向け金属筐体投資の回復期待が剥落、収益頭の工作機械向けを中心とするFA事業も更新サイクルは既にピークアウト、18年3月期に向けて需要低迷が長期化しそうと指摘。17年3月期業績ガイダンスも減益予想が提示される公算が大きいとみて、同社株価は円安と株主還元期待の出る前の水準に調整しそうと解説。レーティングを「ニュートラル」から「アンダーパフォーム」に、目標株価を2万4000円から1万6000円に引き下げている。
※16日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース