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【市況】基本的には円高が嫌気されている状況/ランチタイムコメント


 日経平均は続落。109.92円安の15916.84円(出来高概算10億6000万株)で前場の取引を終えた。週明け29日の米国市場は世界経済の減速懸念が強まるなかNYダウが120ドル超の下落となった。シカゴ先物は大阪比70円高の16000円。米株安のほか、為替相場が円高に振れて推移していることが重しとなるなか、小幅に続落して始まった。一方で、原油高や中国の追加緩和を好感した買いも意識されており、寄り付き直後には16078.14円とプラスに転じる場面もあった。
 その後は16000円を挟んでのこう着が続いていたが、中国の2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)のほか、財新と英マークイットが発表したPMIも悪化するなか、嫌気売りにつながった。また円相場が1ドル112円30銭辺りと円高に振れて推移していることも商いを手控えさせており、薄商いの中をインデックスに絡んだ売りに押されている。
 東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1100を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは電気機器、機械、ガラス土石、海運、保険、その他製品、輸送用機器などが冴えない。一方で、食料品、不動産、医薬品、その他金融、鉱業などが小じっかり。

 中国PMIの悪化が嫌気された面もあろうが、セクターでは食料品、不動産、医薬品、その他金融など内需・ディフェンシブ系を中心に小じっかりであり、基本的には円高が嫌気されている状況であろう。日経平均は塩野義<4507>など薬品株が下支えしているが、ソフトバンクグ<9984>なども底堅い値動きをみせている。自社株買いを発表した日東電<6988>も好材料視されており、日経平均は16000円を下回っているものの、それ程地合いは悪くないだろう。マザーズ指数はプラス圏で推移しているほか、JASDAQは小幅な下げにとどまっている。中小型株を中心とした物色は活発である。
 日経平均は16000円を挟んでの展開が続くとみているが、15800円を下回ってくると、真空地帯となるため、15000円前半は警戒されてくる。一方で3月期末株価等も意識されやすいなか、16000円を回復してくるようだと、短期筋のショートカバーを誘う格好になりそうだ。(村瀬 智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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