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2016年02月23日20時00分

【特集】訪日客が高評価、化粧品各社が好調なワケ <株探トップ特集>

資生堂の美白スキンケアシリーズ「ホワイトルーセント」

―高齢化進展もニーズ増加に―

 12月期決算や3月期決算会社の第3四半期決算が終了したが、そのなかで、化粧品関連企業の好業績が改めて確認された。好調の要因は各社さまざまだが、高い品質とブランド力を武器に海外向けやインバウンド需要が拡大していることが共通している。国内市場は、少子化による中長期的な人口減が懸念材料だが、その一方で高齢化により、スキンケアへのニーズも高まっている。好業績の化粧品関連に注目したい。

●インバウンド需要が後押し

 化粧品各社はこの数年、中国を中心にアジアでの事業展開に注力、これによりブランド力が浸透したところに、訪日外国人観光客の増加が追い風になっている。訪日外国人観光客が高く評価しているのが、付加価値の高い高機能の日本の製品群だ。

●国内でも高付加価値のスペシャルスキンケアが人気

 一方、国内の消費者については、これまでの景気低迷下では、低価格商品や気軽に利用できるオールインワンタイプのスキンケアへのニーズが高かった。しかし、近年は生活面で余裕が生まれたシニア層をターゲットに、より機能性を高めた付加価値の高いスペシャルスキンケアの開発に各社が注力している。高齢化が進むなかで、より肌年齢を意識するシニア層を中心に美容液やシートパックなど複数のスキンケアを利用する動きが活発化しているが、このニーズは国内の消費者のみならず海外でも高まっている。以下、第3四半期の好決算銘柄を中心に化粧品関連企業をピックアップした。

●カネボウ化粧品が好調の花王、上方修正のコーセーなどは今期も大幅増益へ

◆花王 <4452>
3日発表の15年12月期決算は売上高1兆4717億円(前の期比5.0%増)、営業利益1643億円(同23.3%増)と大幅な増益となり、16年12月期も売上高1兆5100億円(前期比2.4%増)、営業利益1840億円(同9.7%増)と増収増益を見込む。カネボウ化粧品の「suisai」は、インバウンド需要により好調に推移。海外では、構造改革が終了した中国を始めとするアジアが伸びており、特に「KATE TOKYO」が拡大している。

◆ロート <4527>
16年3月期は9日発表の第四半期累計(15年4月~12月)で売上高1203億円(前年同期比12.0%増)、営業利益118億円(同31.8%増)と2ケタ増収増益を達成。通期予想の売上高1675億円(前期比10.4%増)、営業利益151億円(同14.8%増)達成へ向け順調に推移している。高付加価値の「極潤プレミアム」シリーズを新たにラインアップした「肌ラボ」や「ダーマパワーX」シリーズをリニューアルした機能性化粧品「オバジ」などがインバウンド需要も寄与し好調に推移している。

◆資生堂 <4911>
「SHISEIDO」は世界88の国と地域(日本を含む)で販売され絶大なブランド力を誇る。ブランド改革2年目を迎えるスキンケアブランド「エリクシール」やメーキャップブランド「マキアージュ」に加え、最高級ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」が拡大、アジアでは、シンガポール、マレーシア、トラベルリテール(空港免税店などでの化粧品の販売)での売り上げが、引き続き好調に推移。決算期が15年12月期に3月から12月へ変更されたため比較はできないが、今16年12月期は連結売上高8720億円(4月~12月の変則となる前期実績7630億円)、営業利益380億円(同376億円)を見込む。「SHISEIDO」ブランドでは、美白スキンケアシリーズ「ホワイトルーセント」全4品目5品種を刷新し、2月1日から世界各国で順次発売、この効果も期待される。

◆コーセー <4922>
1月29日に16年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を2350億円から2390億円(前期比15.0%増)へ、営業利益を330億円から350億円(同54.5%増)へ上方修正している。国内主要ブランドの販売が好調に推移していることに加え、インバウンド需要の取り込みや、前期に買収したタルト社が収益拡大に寄与している。

◆ポーラHD <4927>
15日に発表した15年12月期連結決算は売上高2147億円(前の期比8.4%増)、営業利益225億円(同27.3%増)と大幅な増益を達成し、続く16年12月期も売上高2190億円(前期比2.0%増)、営業利益250億円(同11.1%増)と2ケタ増益を見込む。基幹ブランドの「POLA」、「ORBIS」に加えて海外ブランドの「Jurlique」と「H2O PLUS」も成長。15年2月に発売した美容健康食品「ホワイトショット インナーロックIX」が、訪日観光客のインバウンド需要などにより年間を通して好調に推移。「ORBIS」ブランドでは化粧水前の薬用角質ケア美容液「薬用 スキンアクティブセラム」を2月23日から発売するなど新製品の拡大も期待される。


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