【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:原油、為替、G20
■株式相場見通し
予想レンジ:上限16800-下限15500円
来週は、原油相場や為替市場の動向を睨みながらの相場展開が続きそうである。19日のNY原油先物相場は、週間の米石油在庫統計で原油在庫が増加したことを受けて、再び1バレル30ドルを割り込んでいる。サウジアラビアやロシアなどの主要産油国による原油の生産調整に向けた動きを疑問視する向きも多く、明確なボトム形成を見極める必要がある。また、為替市場では世界経済をめぐる懸念を背景に、安全資産とされる円が買われている。週末の米国市場では1月のコア消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を上回ったことを受け、追加利上げペースが一部の予想よりも速まるとの見方が再浮上している。
こういった状況の中で、今週は上海で26-27日に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での協調姿勢へ関心が集まろう。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、各国の政策決定が世界経済に及ぼす影響について集中的に協議する必要があるとの考えを示しており、各国の協調姿勢による金融安定化への思惑等から売り込みづらい状況になろう。もっとも、G20通過後の失望を警戒する向きもあり、方向感は掴みづらくなりそうだ。
一方で、先週は週後半こそ戻り売りに押されたものの、ソフトバンクグループがストップ高を交えての上昇を見せ、投資家のセンチメントを改善させている。また、前週分(8-12日)の信用需給状況をみると、買い残高は2500億円超の減少となり、これは昨年8月のチャイナショック時(2800億円)以来の減少であり、需給整理は相当進捗したとみられる。マイナス金利導入により、個人マネーはリスク資産にシフトしてきていると報じられているなど、個人の中小型株物色は活発になりそうである。G20を控え日経平均が16000円処でこう着となるようだと、個人マネーは新興市場など中小型株への活発な値幅取り狙いの商いに向かうことになりそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は、今週のドル・円はやや底堅い展開が見込まれる。引き続き米国の追加利上げの時期、原油価格動向、そして、中国の経済情勢と株価動向を主な見所に方向性を探ることになる。
市場関係者が注目している原油相場については、産油国が生産量維持を遵守することで、原油価格の安定または下げ止まりが期待できる。中国経済については、今週は主要経済指標の発表は予定されていないが、3月の国内政治イベントを控え、政策期待で株価は下支えされる見込み。原油価格や国内外の株式相場に急変がない場合、リスク選好的な円売りのフローはやや増える可能性がある。
■来週の注目スケジュール
2月22日(月):コンビニ売上高、独製造業PMI、ユーロ圏総合PMI速報値など
2月23日(火):独IFO景況感指数、米消費者信頼感指数など
2月24日(水):はてな上場、米MBA住宅ローン申請指数など
2月25日(木):英GDP改定値、米消費者信頼感指数など
2月26日(金):米GDP改定値、G20財務相・中央銀行総裁会議など
《TM》
提供:フィスコ