【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 「強小銘柄」の押し目買い狙いを最優先!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「強小銘柄」の押し目買い狙いを最優先!
●下方圧力が後退、潮目変化の兆候も
ようやく難所続きの1月相場が終わった。月が替わると風景がバラ色に変わる。こうなってくれれば良いのだが、残念ながらその可能性は低い。
引き続き揺れ動く不安定な相場とつき合い続けなくてはならないだろうが、問題はその方向性だ。1月は21日まで下方圧力が圧倒的だった。しかし、22日からは明らかにそのパワーは弱まり、方向が上向きに転じている。
最大の下落要因となっていた原油先物価格が1バレル30ドルを割り込んだことで、これまで頑強に減産を拒否してきたサウジアラビアが態度を軟化させつつあるとの見方が出てきたからだ。
サウジはこれまで米国のシェールオイル産出企業を潰すために、敢えて低価格戦略をとっているとされてきた。確かに高度な戦略としてその可能性はあったと見てよいものの、価格低下にも限度がある。ビジネスは価格下落が続いた場合、耐えられなくなるのは当然で、1バレル30ドル割れはさすがに限界にきたと見てよい。
もちろん、20ドルでも耐えられるという見方もできるものの、耐久の限界でビジネスしても意味がない。ある程度の利益を確保するとなると、やはり30ドル台は維持したいところで、サウジもようやくその実行に動き始めたと見てよい。
ただ、1月相場を振り返って見ると、もう一つやっかいな問題がある。ハイテク銘柄の急落だ。TDK <6762> 、アルプス <6770> 、ソニー <6758> 、村田製 <6981> 、太陽誘電 <6976> など部品関連株が軒並み惨憺たる下落ぶりだ。それらに共通するのはスマホ向け部品に強いこと。アップルのスマホ需要が今後落ち込むだろうとの見方から下落一方となっていて、それはファナック <6954> にまで及んでいる。
●内需依存企業への傾斜が強まる
このような動きによって分かるのは、市場は外需性の強い銘柄を敬遠、代わりに内需への依存度の高い銘柄に関心を移し始めていて、2月はさらにその傾向が強まる。こう見てよい状況だ。このような局面での投資は、主力株を避けて中小型株の中でも、「強小銘柄」と呼べる銘柄の押し目狙い。この最優先が良策になる。
そこで、具体的に投資対象としたいのは、M&A仲介会社である日本M&A <2127> だ。成約案件増により収益好調が続くも、株価は今年に入って売り込まれてしまった。いまは再浮上に転じて間もないところ。現在水準あたりで拾っておきたい。
モバイル向けソフト開発に強いシステナ <2317> も回復途上の足踏み状態にあり、少しでも下げたら投資有利と見る。企業の売掛債権保証サービスで成長が続くイー・ギャラ <8771> も、地味ながらビジネスモデルが優れていて、株価の続伸が見込める。
東証2部にも目を向けておくとベネ・ワン <2412> [東証2]がある。官公庁や企業の福利厚生サービス代行に強く、ニーズがますます高まることを考えると株も魅力的だ。新興市場銘柄では夢の街創造 <2484> [JQ]がある。
2016年1月28日 記
●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。
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