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【特集】自動翻訳システム、おもてなしの切り札に!  <株探トップ特集>

アプリックスの「おもてなしBeacon」

―東京五輪と訪日客急増を追い風に導入が加速―

 2020年の東京五輪へ向けて訪日外国人の受け入れ対策が重要視されるなか、多言語対応サービスを強化する動きが活発化している。この数年、中国や欧米諸国を中心に幅広い国から観光客が訪れているが、語学堪能なスタッフの人材不足が深刻化している。このようななか、高度な自動翻訳システムの開発が進んできたことで、これを導入する動きがさまざまな業界で始まっている。

●通訳人材不足と危機対応でも導入急務

 日本政府観光局(JNTO)が19日に発表した2015年の訪日外国人客数(推計値)では、2014年と比べ47.1%増の1973万7000人と、過去最高を更新。12月の単月でも前年同月比43.4%増の177万3000人とこれまで12月として過去最高だった2014年の123万6000人を53万7000人上回っている。2016年については中国経済などの減速が影響し伸び悩みが懸念されるものの、高水準を維持更新するとみられている。

 ホテルや外食産業、小売りなどのサービス産業では、外国語対応スタッフの不足が、サービス低下に直結するが、20年開催の東京オリンピックへ向けて、この問題がさらに深刻化することが予想される。サービス低下はもとより、災害時などの危機対応でも、外国語の強化は急務であることから、人材不足を翻訳システムの整備で補う動きが始まっている。翻訳には、各業界の専門用語への対応が問題となっていたが、翻訳システムの精度向上でこの問題も解決しつつある。以下、関連銘柄をピックアップした。

●アプリックスやヤマハなどがスマホ活用のシステム

◆ フュトレック <2468> [東証M] ◆
 音声認識システムの大手で大量の語彙・モデルをサーバーに持つことで、スマートフォンなどで高性能な認識が可能になるサーバー型音声認識システムで先駆。総務省が推進する世界の「言葉の壁」をなくしグローバルで自由な交流を実現することをミッションとした「グローバルコミュニケーション計画」では、その推進母体である「グローバルコミュニケーション開発推進協議会」に子会社のATR-Trekが設立発起人として参画。音声翻訳システムの開発でも評価が高い。

◆ アプリックス <3727> [東証M] ◆
 店舗に設置するだけで近くにいる人や来店中の顧客などに、店舗が伝えたい情報をスマートフォンに表示させる店舗集客支援サービス「おもてなしビーコン」を展開。自動翻訳も可能であることから外国人観光客を狙った地域活性化・まちづくりでも導入が増えている。

◆ USEN <4842> [JQ] ◆
 テレビ電話による通訳サポートで、365日対応可能なサービス「どこでも通訳」を展開。

◆ ヤマハ <7951> ◆
 日本語のアナウンスなどを流すだけで、自動的に外国語アナウンスを付与したり、多言語化された文字情報などをユーザーのスマートフォンに提供する「おもてなしガイド」を展開。USENのチェーン店向け専用放送およびコメント放送サービスとの連携も進めている。

◆ サトーHD <6287> ◆
 情報の閲覧にQRコードやNFCなどの自動認識技術を活用し、1枚のラベルで訪日外国人のスマートフォンの言語設定に合った情報を自動的に切り替えて表示する「InboundWorks MultiLingual」を展開。

◆ 大日印 <7912> ◆
 AR(拡張現実)技術を活用して、商品をタブレット端末のカメラにかざすと、商品名や説明文などを外国語に翻訳した商品パッケージを画面上に表示するシステム「DNPパッケージ翻訳ARシステム(店頭用)」を開発している。インバウンド対応のサービスとして日用品や食品メーカーなどに向けて、昨年9月より運用を開始しており、食品や日用品、化粧品メーカーを中心に2018年度までに10億円の売上高を目指す。

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