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【経済】「中国経済、今後の焦点は?」 吉野晶雄氏に聞きました! <直撃Q&A>

吉野晶雄氏(アムンディ・ジャパン チーフエコノミスト)

 中国国家統計局が19日発表した15年10-12月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比6.8%成長と市場予想(6.9%)はやや下回ったものの、その後、株式市場は堅調に推移した。年初からの世界的な金融不安の根源と指摘される「中国不安」に市場は一喜一憂する状態が続くが、今後のポイントは何か。アムンディ・ジャパンのチーフエコノミスト、吉野晶雄氏に見方を聞いた。

●吉野晶雄氏(アムンディ・ジャパン チーフエコノミスト)

Q1 中国GDPなどの経済指標をどう分析していますか?

 GDPの6.8%成長は予想よりやや弱めだったが、市場は許容範囲内と受け止めたようだ。中国の製造業は昨年春以降、景気後退局面にある。ポイントは製造業の悪化が家計セクターに波及するかだ。ただ、この日同時に発表された上海などの一級都市の12月住宅価格は上昇している。中国の個人消費まで悪化していないことは安心感を呼んでいる。

Q2 中国株や人民元はいつ底打ちしそうですか

 上海株式市場は、今後3ヵ月程度は中間反騰が期待できるかもしれない。人民元に関しても、中国政府は急速な下落は容認しない姿勢を見せており、この点が投資家の心理を好転させている。人民元安の効果は、半年ほどのタイムラグを経て効果が出てくる。このため、今年半ば以降は中国輸出の回復も期待できると思う。ただ、今後、業績などで実態面の悪化が表面化した場合、再度、上海株が下落する可能性はあるだろう。

Q3 今後の中国動向をみるうえでのポイントは

 3月に全国人民代表大会(全人代)が開催されるが、構造改革を促進させる規制緩和などが発表されれば、前向きに評価されると思う。また、当面のリトマス紙となりそうなのが、2月からの「春節(旧正月)」の動向だ。中国人海外旅行者の数や日本を含む旅先での消費動向が注目される。春節での消費が悪ければ、要注意のサインとなりそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

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