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【特集】ハピネット Research Memo(6):ビジネスユニットの強みを活かし、継続的な成長と事業領域の拡大


■中期経営計画


ハピネット<7552>は2016年3月期を初年度とする「第7次中期経営計画」を発表しているが、以下がその概要である。

●第7次中期経営計画:基本方針と基本戦略
全社的な基本方針として「流通事業の更なる成長拡大とメーカー事業の選択と集中」を掲げている。さらにそれぞれの事業における基本戦略を以下のように設定した。

基本戦略1(流通事業):
ビジネスユニットの強みを活かし、継続的な成長と事業領域の拡大を図る。

基本戦略2(メーカー事業):
優位性のある市場へ集中することで収益の改善を図り、新たな成長ステージを目指す。

基本戦略3(管理運用システム):
経営・事業環境の変化に対応する為、様々な仕組みの改革を推進する。

●第7次中期経営計画:中間流通業での戦略
上記の基本戦略(ビジネスユニットの強みを活かし、継続的な成長と事業領域の拡大を図る)に沿って、各事業においては以下のような戦略、施策を実行していく。

a)玩具事業
基本戦略:
あらゆるエンタテインメント商品のラインアップを活かし、新たな領域を切り開く。

具体的な施策としては、今までの玩具関連商品(玩具、カプセル玩具、カードゲームなど)だけでなく、その周辺商品(例:プラモデル、雑貨、文房具、玩具菓子、アパレルなど)の取扱いを拡大する。またグループの強みを活かした商材ミックスで売場の提案を行い、新たな売場展開を図っていく。

b)映像音楽事業
基本戦略:
ビジネスモデルを革新するとともに、メーカーとの協業体制を構築する。

具体的な施策としては、メーカーと卸の両方を併せ持つ同社の特色を活かしてシェアの拡大を図る。例としては、(株)ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが保有するカタログ作品を同社が独占販売する。劇場公開の大作を含む200タイトル以上の旧作を今夏より発売した。今後も同社が持つメーカー販社機能を活かしてメーカーとの関係を強化していく。

またローコストオペレーションを追求して利益率を改善する。具体的には、現在は「新譜提案」、「問合せ」、「販促」など業務ごとにバラバラとなっているWebツールを統合する。さらに仕入先への旧譜補充発注を計数設定し、日々の発注業務を自動化する。これにより、現在「属人化」している発注業務を「システム化」する。

c)ビデオゲーム事業
基本戦略:
すべてのプラットフォームを取り扱う強みを活かし、利益額を確保する体制を構築する。

多様な販売チャネルとローコストオペレーションの強みをメーカー、小売店へ提案することや独占販売商品の取扱いを拡大することで利益額を確保する。

d)アミューズメント事業
基本戦略:
全国オペレーションネットワークを活かして、新たなロケーション開発とビジネスの創造を図る。

提案力の強化(ライブイベント販売、イベント販促ツール開発)や新たなオペレーションモデルの開発(モールワンストップオペレーション、エリア集中開発)などによりロケーション開発を継続し、事業規模を拡大する。

また単品管理システムの更なる拡大や電子マネーの普及に合わせたICカード対応のカプセル自販機の投入などにより、オペレーションの高度化を一段と推進して安定した収益体質を構築する。

●第7次中期経営計画:メーカー業での戦略
上記の基本戦略(優位性のある市場へ集中することで収益の改善を図り、新たな成長ステージを目指す)に沿って、各事業においては以下のような戦略、施策を実行していく。

a)玩具事業
基本戦略:
オリジナル玩具事業の安定収益を生み出す基盤を構築する。

そのために、販売数量の見込める商品へ注力する、ヒット商品を生み出すために顧客ニーズを掴み企画・開発力を強化するなどの施策を実行していく。

b)映像音楽事業
基本戦略:
アニメを中心とした自社幹事作品に投資を集中する。

メーカー業への投資は継続するが、外部パートナーとの共同制作などにより自社幹事作品へ集中的に投資を行う。また番組提供を継続し、キッズ作品のビデオグラム化権を取得していく。さらに過去の人気アニメのブルーレイBOX化権も積極的に取得していく。

c)ビデオゲーム事業
基本戦略:
収益基盤となるシリーズの創出と、パブリッシャーとしての体制強化を図る。

具体的な施策としては、自社作品を増やすと同時にこれらの作品をシリーズ化していく。これによって同一ブランドで複数商品を出すことができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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