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【市況】日銀総裁の講演控え、2万円への意識に向かわせるか/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に反発。292.17円高の19796.65円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えている。注目された4日発表の米雇用統計は、非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比21.1万人増加したほか、10月と9月の雇用者数も上方修正された。利上げはほぼ確実となり、4日の米国市場は金融政策の不透明感払拭を好感し、NYダウは369ドル高となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比250円高の19710円と切り返しをみせており、これにさや寄せする格好から、19700円を回復して始まった。
 買い一巡後はもち合いが続いていているが、高値圏での推移が続く中、じりじりと上げ幅を広げ、一時19800円を回復する局面をみせている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1600と全体の8割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは原油安が嫌気された鉱業がマイナスだったほかは、32業種が上昇しており、食料品、小売が2%を超える上昇。

 日経平均はギャップ・アップで始まり、その後は狭いレンジながらも強含みの展開が続いている。ただし、出来高は8億株程度にとどまっており、薄商いの中をインデックスに絡んだ売買で押し上げているように映る。日経平均は5日線が上値抵抗として意識されるほか、節目の2万円に接近する局面においては、やや神経質になりやすいだろう。
 とはいえ、相場全体として上値追いは慎重になったとしても、先高期待は後退しない。そのため、物色意欲は強い一方で、リスクを避ける狙いから、中小型株や相対的に出遅れている銘柄等の水準訂正を狙った流れに向かいやすい。なお、7日に日銀の黒田総裁のパリ・ユーロプラス・フィナンシャル・フォーラムでの講演が予定されている。追加の金融緩和政策に関する発言等が出てくるようだと、改めて日経平均の2万円突破が意識されてくる可能性はあるだろう。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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