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【市況】国内株式市場見通し:米クリスマス商戦への思惑から節目の2万円を捉えるか


■日経平均は約3ヶ月ぶりに19900円台を回復

先週の日経平均は上昇。約3ヶ月ぶりに一時19900円台を回復し、節目の2万円大台に迫る局面をみせた。週初は波乱のスタートとなった。フランスの首都パリ市内と郊外で13日夜、同時多発的に銃撃や爆発が発生。欧州で頻発するテロに対する地政学リスクへの警戒感が高まるなか、幅広い銘柄に売りが先行した。ただし、パリ同時多発テロの影響が警戒されていた週明けの欧米市場は、落ち着いた値動きだったことが安心感につながると、その後はリバウンド基調が強まっている。

■12月の米利上げを織り込む

注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、12月のFOMCまでに利上げを行うことが大方の委員のコンセンサスであることが伝えられた。市場は米利上げ時期の不透明感が和らいだとの見方となり、アク抜け的な流れに向かわせた。さらに、日本銀行の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持を決定。追加緩和が見送られたことで売り込まれる局面もみられたが、12月の決定会合での追加緩和への思惑が根強いほか、7-9月GDPの2四半期連続のマイナス成長から補正予算の上積みなどへの期待感もあり、底堅い相場展開だった。

■節目の2万円突破を意識した相場展開

今週は射程に入った節目の2万円突破を意識した相場展開になろう。米国市場では12月の米国の利上げが確実となったことから、経済指標の発表で大きく振らされる可能性は低いと考えられる。そのため、24日の7-9月期の米国内総生産(GDP)改定値などの影響は限られよう。反対に予想値は速報値から上方修正が見込まれており、好反応を示してくる可能性がありそうだ。米株高が追い風となることで、日経平均は節目の2万円回復が意識されやすい。

■ブラックフライデー皮切りにクリスマス商戦スタート

その他、海外では23日に10月の米中古住宅販売件数、24日に11月の独Ifo景況感指数、25日に10月の米耐久財受注、10月の米新築住宅販売件数が予定されている。国内では25日に11月分の月例経済報告が公表される。景気の弱さが示されるようだと、12月の追加緩和への思惑につながりそうだ。

また、26日は米国市場が感謝祭の祝日で休場となる。27日は感謝祭翌日の「ブラックフライデー」となり、クリスマス商戦の始まりを告げる。感謝祭翌週の月曜日はサイバー・マンデーと称され、オンラインショッピングにおけるホリデーシーズンの始まりとされている。個人消費へ関心が集まりやすく、好調さが伝わるようだと、株価の押し上げ要因になるだろう。感謝祭が近づくにつれて海外勢の商いは細ると考えられるが、良好な需給状況のなか、主力大型株への物色から個人主体による中小型株への物色にシフトしやすい。

■TPP関連政策大綱と一億総活躍社会の金融対策取りまとめ

さらに、国内については、政府は21日、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の大筋合意を受け、農林水産物と食品の輸出額を1兆円にすることなど具体的な数値目標や、コメや牛肉・豚肉など農産物5項目の対策などを盛り込んだ、「TPP関連政策大綱」の素案をまとめた。25日にもTPP総合対策本部を開き、「政策大綱」を決定することにしているため、TPP関連への物色が強まる可能性がある。その他、一億総活躍社会の実現に向けて、国民会議で取りまとめる緊急対策の原案が明らかになっている。国民会議を26日に開いて、緊急対策を取りまとめることにしており、認可保育所などの整備の前倒しや、都市部に介護施設を確保するための国有地の賃料の減額などを受けた関連銘柄等への個人主体の物色が意識されやすい。

《FA》

 提供:フィスコ

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