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【経済】直撃Q&A 「パリ同時テロ」(2) 吉野晶雄氏に聞きました!

吉野晶雄氏 アムンディ・ジャパン チーフエコノミスト

 週末13日夜(現地時間)に発生した「パリ同時テロ」を受け、週明け16日の東京市場はリスク回避の動きが強まり日経平均株価は200円を超す値下がりとなった。今回の同時テロの金融市場への影響をどうみれば良いのか。アムンディ・ジャパンのチーフエコノミスト、吉野晶雄氏に聞いた。

●吉野晶雄氏(アムンディ・ジャパン チーフエコノミスト)

Q1 パリ同時テロのマーケットへの影響をどう見るか?

 今回のテロは息の長い問題になると見ざるを得ない。これまでの混迷にさらに油を注ぐことになり、決して一過性なものではない。ただ、マーケットの側面から言えば、今後の見方を大きく変えることにはならないと思う。2005年のロンドンの同時爆破テロは株式市場の混乱は短期で収束した。日経平均株価も今週末頃までには落ち着くのではないか。

Q2 欧州の政治・経済情勢へ悪影響を与えないか?

 欧州経済にはマイナス要因だ。ただ、欧州に流れていた資金が日本に向かうかというと、一時的な動きは別にして、あまり期待はできないだろう。日本もテロが警戒される国の一つだ。日本は北朝鮮や中国との問題もあり、地勢学的には買い要因にはなりにくい。

Q3 日経平均や為替市場の見通しは?

 ユーロは売りとは言い切れない。米国の小売売上高など経済指標が伸び悩んでいる。米国は12月に本当に利上げするのか、徐々に疑念も膨らんでいる。ドルは盤石ではなく、むしろユーロは上昇する可能性もある。ただ欧州の景気を考慮すれば、米国・欧州とも株価は弱含むことはあり得る。一方、日本は欧米に比べ景気面は強い。内需セクターを中心に、日経平均株価は年末にかけ2万1000円近い水準に上昇する可能性もあるとみている。


直撃Q&A 「パリ同時テロ(1) 鈴木英之氏に聞く」から続く
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