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【特集】アウトソーシング Research Memo(3):2011年以降は、海外事業やIT事業が成長をけん引


■会社概要

(2)沿革

アウトソーシング<2427>の発祥は、現代表取締役会長兼社長の土井春彦(どいはるひこ)氏が、1987年に工場における製造ラインの業務請負を目的として株式会社中部綜合(静岡市駿河区、資本金100万円)を設立したところに遡る。同社は、その営業を承継する形で1997年に生産工程の業務請負業を目的として静岡県に設立された。

トヨタグループを始めとする自動車関連業界に強い顧客基盤を確立するとともに、全国の生産拠点における生産アウトソーシング需要に対応することで業容を拡大してきた。2004年にJASDAQに上場。その後、円高進行等を背景として国内メーカーによる海外への生産移管が加速されると、同社も2010年中国進出を皮切りに、2011年に東南アジア・オセアニア地域5か国、2013年にマレーシア、2014年にインド、2015年にはカンボジアに相次いで進出するなど、積極的な海外展開を図ることで業績を伸ばしてきた。その一方で、リーマンショックや東日本大震災などに伴う景気変動による影響を受けやすい事業特性からの脱却や今後の環境変化(生産海外移管、国内人口の減少、産業構造のシフト等)への対応を図るため、積極的なM&Aや採用投資により、成長性や付加価値の高いIT及び建設分野などを中心とした技術系アウトソーシング事業の強化にも注力してきた。2011年以降は、海外事業やIT事業が同社成長をけん引しており、2012年には東証2部へ上場、2013年3月に東証1部へ指定替えとなった。

2015年に入ってからも、オーストラリアのIT及び金融システム分野に強い人材サービス会社のBLUEFIN GROUP※1や、英国及びベルギーを地盤としてOracle製品に特化したITコンサルタントを提供する専門会社のNHL※2及びNCRL※3の子会社化を相次いで決定した。また、事業拡大の余地が大きい米軍基地内アウトソーシング事業(沖縄嘉手納基地)の受注も獲得しており、同社の重点戦略である海外事業及びIT事業は新たな局面を迎えている。

※1 BLUEFIN RESOURCES GROUP PTY LIMITEDの略
※2 NTRINSIC HOLDINGS LIMITEDの略
※3 NTRINSIC CONSULTING RESOURCES LIMITEDの略

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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