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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「戻りの正念場が近づく」

   株式評論家 富田隆弥

◆さて焦点の「10月7日」。注目の日銀決定会合は現状維持、QE3は見送られ、ここで動くと見ていた自分の予想は外れてしまった。だが、日経平均株価は6連騰で高値1万8379円と思惑通り堅調。組閣や郵政の仮条件も決まり、7日は証券自己が買い向かったとみられる。日経平均は日銀決定直後に143円安の1万8043円まで下げたが、6日空けた窓(1万8079円)を埋めてから大きく戻したことで、売り方がまた買い戻しを余儀なくされた。

◆郵政株の価格は3社合計で約50万円(5050円)。手ごろな価格なので売却は順調に進むだろう(上場後の推移は別問題)。払い込みまで堅調な地合いを維持させるべく証券会社は尽力するだろう。

◆だが、相場が業界の思惑通りに動くとは限らない。日経平均は「1万8500円」「10月7日~9日の高値」というイメージを描いているが、10月第2週は8月11日高値から9週目の変化週にあたり、週末はSQで「9月29日安値→9日目」が重なる。6連騰で週足「雲」(1万8166円)に差し掛かり、短期(6日)の騰落レシオは291%、同RCIは70%に上昇してきた。中国・国慶節の休日は7日までで、週末は三連休を控える。「イベント通過」「買い戻し一巡」として、ここから高値示現のポイントになりやすいという見方は継続する。

◆カギを握るNYダウも3連騰(6日1万6790ドル)で日足の抵抗線を抜いてきたが、節目で75日線の降りてくる1万7000ドルに近付いてきた。DAXも3連騰だが、依然底練りゾーンで25日線に抵触したところ。つまり、8月、9月の同時株安が一旦収まり、いま世界は買い戻しの動きになっているが、チャートは崩れたあとのアヤ戻りにあって戻りの正念場が近づいているということ。そうした点を忘れず、全体を冷静に見ておきたい。

◆個別株。原油(WTI)の上昇で資源関連が買われ、機械株も買い戻しの動き。TOPIX6連騰で金融、鉄鋼、電機の大型株も堅調。逆にTPPが終わり薬品、食品などが売られた。日替わりメニューの相場で、短期筋の出入りが多くを占めているだけに、高値圏の値がさ株には注意が必要だろう。ただ、双日 <2768> 、IHI <7013> 、住友重 <6302> など低位主力株に好転の兆しが出ており、そういった金利敏感株が全体の地合い好転を牽引するのか注目される。

(10月7日 記、毎週土曜日9時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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