【特集】「マイナンバー」通知スタート <株経トップ特集>
―システム対応で巨大市場が出現!―
来年1月からの運用開始を前に、5日からマイナンバーの番号が記載された「通知カード」の郵送がスタートした。この制度は、国民一人ひとりに12ケタの番号を割り振り、年金、医療、納税などの行政手続きを一つの共通番号で効率的に管理するもの。ただ、自治体や企業の事務処理負担や機器導入など越えるべきハードルは高い。したがって、システム構築や管理を手掛ける企業がこの新制度を支える立場から活躍場面が広がりそうだ。マイナンバー制度導入に伴うシステム対応の市場規模は、今後5年間で2兆5000億円~3兆円に達すると予想されている。
●NTTデータ、官公庁向け高実績
NTTデータ <9613> は、過去に社会保険オンラインシステムや、住民基本台帳ネットワークなど、公共・官公庁関連向けのシステム構築で高い実績がある。金融機関での顧客や、民間企業の従業員のマイナンバー収集代行サービスの準備を進めている。
また、同社子会社でソフト開発を手掛けるNJK <9748> [東証2]は、マイナンバー対応セミナーなどを積極化している。
●セコムは地銀と業務提携で先行
セコム <9735> は9月1日に、企業のマイナンバー対応支援で、横浜銀行、静岡銀行など地方銀行57行と業務提携を行うと発表。この提携を含め、同社は、来年1月時点で600万人超のマイナンバーを預かる見込みとしている。各行から取引先の紹介を受け、通知が始まった番号の収集、管理などを一括代行する。また、民間企業に課せられるマイナンバー対応をトータル支援する「セコムあんしんマイナンバーサービス」の販売を開始する。
●アイネス、情報の共通管理を実現
アイネス <9742> は、マイナンバー制度の導入に伴って求められる住民サービスに対応した自治体の電子行政をサポートする総合行政情報システム「WebRings(ウェブリングス)」を販売している。これは、業務間のシームレスな連携の実現はもとより、セキュリティーの確保を行いつつ各種機関との連携を支援するとともに、マイナンバー制度の導入に必要な個々人の情報の共通管理を実現するというもの。
●ODKは事務代行サービススタート
ODK <3839> [JQ]は、9月30日に金融機関向けにSBIトレードウィンテック(東京都新宿区)と、マイナンバー制度対応支援サービスの一環として、「マイナンバー管理システム」を共同開発し、このシステムの提供を開始すると発表した。さらに、これに先立って、各金融機関に代わって顧客のマイナンバー収集および管理を行う金融機関向け「マイナンバー事務代行サービス」もスタートする。
●PCNET、CTC、アイビーシーにも注目
PCNET <3021> [東証M]は、情報セキュリティーのニーズ拡大が追い風となりそうだ。来年1月から開始されるマイナンバー制度では情報漏洩対策が非常に重要となり、同社が手掛けるIT機器処分やデータ消去サービス、消去証明書サービス、セキュリティー製品レンタルサービスなどの需要増が期待される。
CTC <4739> は、マイナンバー対応コンサルから番号の収集管理を含む運用までのトータルな民間企業向けのマイナンバー管理システムを開発済みで、民間企業と地方自治体を含めたマイナンバー関連で100億円を目指しているとしている。
さらに、9月15日に東証マザーズに新規上場したネットワーク監視関連システムを手掛けるアイビーシー <3920> [東証M]は、システムの安定稼働や品質向上を支援しており、地方自治体のマイナンバー制度導入に向けたセキュリティーシステムの開発に実績がある。
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情報提供:日刊株式経済新聞
株探ニュース