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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】


「価値ある銘柄の再評価が進む」

●東京市場の下値固めは順調に進捗

 米国の9月利上げは見送りだった。私は前々から10月実施説だが、最近では10月もあやしいと見ている。年末、さらには年明けにずれ込むこともあり得る状況だ。

 9月4~5日にトルコで開催されたG20で新興経済諸国が、米国の利上げ方針に対して「待った」をかけた。ハト派のイエレン議長はこれを無視できなくなっているのだ。世界経済への配慮から利上げを見送ったのだから、大きな視野からは歓迎すべき決定と言うべきだろう。

 しかし、東京市場にとっては好ましくない。米国の利上げ見送りはドルの下落を招来しやすい。現在の東京市場は完全に為替市場連動型になっているだけに影響を受けやすい。

 週末18日も早速、日経平均は下げてしまったが、ここで改めて強調しておきたいのは、現在の東京市場の基本的な動きは、「下値固め中」――こうなっていることだ。そして、それは順調に行っているといえる。

 なぜ、そんなことが言えるのか? 主力株の一つであるトヨタ <7203> の値動きを見ていただこう。同社株は8月25日に6650円の安値をつけて以降、小刻みな上下動を繰り返しているが、日経平均が8月26日の安値1万7714円を割り込み、9月8日には1万7415円まで突っ込んだのに対して、9月8日は7050円で引けている。そして、その後も時々下げはするものの、この原稿を書いている時点で7230円だ。

●不当に売られた銘柄に見直し買い

 決して驚くほど上がったりしているわけではないものの、明らかに下値を固めつつあるし、実際固まりつつあると見てよい。個別にチャートを見ると、類似銘柄が多数となっているのだ。

 確かに米国の利上げがいつになるか、また分からなくなったのは東京市場にとってはイタイ。しかし、それは東京市場回復の足かせにはなるものの、底固めから浮上に転じる個別銘柄の見直し買いを止められない。

 価値ある銘柄が不当ともいえるほど売られてしまったのだ。冷静さを取り戻すにつれ、それらは買い直される。

 具体的には、料理レシピ専門サイト首位のクックパッド <2193> 、我が家もしょっちゅう利用しているネットショップ最大手の楽天 <4755> 、自動車部品サスペンションに強いヨロズ <7294> 、債権買い取りやレジ業務受託への展開が好調なアクリティブ <8423> 、そしてバトミントンとテニスラケットでブランド力が際立つヨネックス <7906> [東証2]が、スポーツの秋到来でもあり投資魅力ありだ。

 新興市場銘柄では宅配寿司「銀のさら」で知られるライドオンE <6082> [東証M]だ。宅配代行ビジネスへの展開を評価したい。

2015年9月18日 記

●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。

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