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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:セリングクライマックス、米4-6月GDP改定値、FRB副議長発言


■株式相場見通し

予想レンジ:上限20500-下限18500円

来週は週初から波乱含みの展開となろう。200日移動平均線は18978円処に位置しており、これを試しに行く展開に。急ピッチの下げに対する売られ過ぎ感はあるが、リスク回避ムードのなか、目先的にはCTAなど短期筋の需給に振らされやすい。引き続き中国の動向を睨みながらの展開になるほか、米国の9月利上げ観測等を睨みながら相場変動を見極めたいところである。

さすがに世界的な景気減速懸念から米国の9月利上げ観測は後退しているとみる向きが増えたであろう。ただし、米国市場の調整などはこれを織り込む流れでのポジション圧縮との見方もされる。27日には4-6月期の米GDP改定値の発表が予定されており、市場の関心が向かいやすい。

米カンザスシティで連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール)が開催される。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は欠席の予定であるが、フィッシャーFRB副議長は参加するため、利上げについての発言が意識されそうだ。

週末の下落では東証1部の値下がり数は1800を超え、全体の98%を占めていた。これはアベノミクス以降では、初めてのことである。この状況のなか、市場関係者の間では経済対策への思惑が必然的に高まる可能性はありそうだ。

公共投資などのインフラでは人材不足により着工が遅れるためインパクトは限られる。直接消費に刺激を与えてくるような政策、日銀の追加の金融緩和への期待等が高まるなか、関連する銘柄への押し目拾いに向かわせることになる。

もっとも、9月利上げの確度が高まる局面においては、今回の下げがセリングクライマックスになることも意識しておきたい。また、日本については金融緩和政策の維持、東京五輪を控えてのインフラ需要や更なる拡大が期待されるインバウンド消費などを背景に、企業収益への見通しは明るい。日経平均は昨年10月以来の200日移動平均線を割り込む可能性が高そうだが、いったんは押し目を拾うところだろう。



■為替市場見通し

来週のドル・円はもみあいか。中国、欧米の株安を嫌気して、米9月利上げ観測は後退した。今週発表される米経済指標では、8月消費者信頼感指数(25日)と4-6月期国内総生産(GDP)改定値(27日)が材料視されそうだ。19日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は、9月利上げを明示する内容ではなかったが、今週発表の経済指標が9月利上げを裏付ける強い内容であれば、ドル・円は124円近辺まで反発する可能性がある。

なお、市場関係者の多くは依然として中国人民元相場の動向を注目している。人民元相場が安定的に推移すれば、中国株式相場の反転が期待できることで米9月利上げへの支援材料となりそうだが、ドル高・人民元安が進行した場合、9月利上げ観測はさらに後退し、リスク選好的なドル買いは抑制される可能性がある。


■来週の注目スケジュール

8月24日(月):パソコン出荷、米シカゴ連銀全米活動指数など
8月25日(火):民生用電子機器国内出荷、月例経済報告、独4-6月GDP改定値など
8月26日(水):土木管理上場、米耐久財受注など
8月27日(木):米4-6月GDP改定値、中国大手銀決算、ジャクソンホールなど
8月28日(金):消費者物価コア指数、ラクト・ジャパン、メタップス上場など

《TM》

 提供:フィスコ

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