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【通貨】【外国為替】夏場は荒れながら120円台から124円台で推移 /遠藤寿保氏 <夏の相場観>

ワイジェイFX・アライアンス&ブランド推進室 FXエバンジェリスト 遠藤寿保氏

 今年3月に入ってからのドル円は122円から118.50円のレンジ相場となっていたが、5月下旬に、イエレンFRB議長の「年内利上げが適切」発言を切掛けに一気に上昇し6月5日の米国雇用統計時には125.85円まで上昇。さすがに急すぎたのか、オバマ大統領のドル高牽制発言(のちに誤報と判明)や、黒田日銀総裁の円安牽制発言(のちに解釈を補足)などで頭を抑えられた。6月FOMCでは、年内利上げが示されるが、利上げに慎重な姿勢も見られ、9月利上げが後退と見られ、122円台まで売り込まれた。また6月後半にかけては、ギシリャ債務問題で、ニュースヘッダーで右往左往するなか、124円台をつける局面もあったが、月末の期限をむかえEUのギリシャ支援は決裂となり122円丁度付近まで下落。

 7~9月の見通しとしては、ドル円は120円から124円のレンジと予測する。ギリシャデフォルト懸念は、マーケットに織り込まれていくとはいえ、大きな重しとなる。目先はリスク回避の株売り・円買いが先行すると思われる。また、不安定要因を抱えるユーロの売りが、どれくらいのインパクトをもたらすかにかかってくる。ユーロドルの下落により、ドル買いと傾いた場合は、ドル円下落に対しての影響は軽微となるが、ユーロ全面安でユーロ円の下落がクローズアップされた場合、ドル円は、直近の上昇、5月14日の安値118.88円から6月5日の高値125.85円に対し61.8%押しの121.55円が下値の目標になりそうだが、オーバーシュートして120円台を付ける可能性もある。

 また、ドル円の上昇要因としては、米国経済指標が堅調に推移することで、特に7月の米国雇用統計の数値が良かった場合、9月に米国利上げの可能性が高まり124円台へ突入することも考えられる。上値の目標としては、先述した直近の上昇幅に対し23.6%押しの124.21円レベルとなるのではないか。ギリシャ問題と米国景気の綱引きで、夏場は荒れながら120円台から124円台の幅で推移しそうだ。

<プロフィール>

1998年、ひまわり証券で日本初となるFX事業チームに参加。2007年、FXZERO取締役を経て、現在ワイジェイFXアライアンス&ブランド推進室に所属。98年以降、投資家向けのコンテンツ作りやFXの企画等に携わった経験を生かし、FXエバンジェリストとして、一般投資家向けセミナーや情報配信として、ストックボイス「FXフォーカス」への出演(東京MXTV)やヤフーファイナンスの株価予想に寄稿。また、FX雑誌のコラム執筆なども行っている。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)     【夏の相場観】特集 より

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