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【市況】【北浜流一郎の新興市場展望】


「ETFの魅力を再確認!」

●ETFは海外への扉すら開く

 先日、ちょっと意外なことがあった。都内でのセミナーのあとだ。

 私が日経平均のETFやJPX日経400、さらには日経平均ブル2倍のETF投資を勧めたのに対して、「先生、ETFなんて売買している人っているんですか。特殊でしょう」、こう中年男性が言うのだ。

 私としては、少々困惑される問いだった。ETFは私にとって非常に身近な銘柄群の集まりだからだ。

 実は私は、ETFがまだスタートした頃からこの市場には着目し、早速日経平均ETFへの投資を繰り返しお勧めしてきた。

 そして、いまやETF市場は急拡大、銘柄数も数え切れないほどになっている。それだけではない。ETFが機関投資家たちの売買対象、それも主なそれになっていることだ。

 特にJPX日経400ETFは、金融機関などにとっては非常に安全度の高い金融商品として主な投資対象になっているほどだ。

 それなのに、「ETFなんて売買している人っているんですか。少ないでしょ」というのは、はっきり言って認識不足になる。市場の変化に疎過ぎると見られても仕方がない。

 いまや上場銘柄数が数銘柄に過ぎなかった頃のETF市場ではないのだ。米国の主要指標であるNYダウやNASDAQでさえ、ETFとして上場されているのだから、米国株がさらに上がると見るなら、それらに投資しておけばよいことになる。

 実際、NYダウのETF(野村ダウ30 <1546> [東証E])はこのところ強い動きであり、4月の高値を抜いて3月の高値2万1510円に迫っている。少なくとも日経平均より堅調な値動きだ。

 もちろん、いつも強い動きをキープし続けられるわけではないものの、肝心なのはETF銘柄に強くなることで、日本にいながら世界への投資が可能になることだ。

 日本にいながら世界遺産の映像を見る。飛行機恐怖症の私には、これも楽しいものの、それはあくまでもバーチャル。実際に出かけていく魅力には遠く及ばない。

 ところが、日本にいて各国の株価指標に連動するETFを投資するのは、実際に米国や中国、インドなどに出かけていって投資するのと大差がない。

 いまはこんなことが可能なのであり、「ETFを売買している人っているんですか。少ないでしょ」と言っている場合ではないとさえいえるほどだ。

●高値キープ株も決算にはご用心

 と、まあ、つい熱くなってしまったが、要するにETFは結構、魅力的な金融商品であるということであり、興味がわいたらぜひどんな銘柄があるか、調べてみられたし。意外に沢山あることにお気づきだろう。

 そして、東証1部銘柄の多くが下げているのに対して、高値をキープしている銘柄が多いことにも気づかれるに違いない。

 ただ、お断りしておきたいが、新興市場の他分野、たとえばジャスダックやマザーズ、そしてJ-REIT市場にも高値をキープしている銘柄はある。

 もっとも多いのはジャスダック市場であり、米菓子、特に高級せんべいに強いことで知られる岩塚製菓 <2221> [JQ]、コンサートなどの音響、映像装置に強いヒビノ <2469> [JQ]。このほか、タウンN <2481> [JQ]、ユビキタ <3858> [JQ]など多彩だ。

 しかし、たまたまこの時期は、これらの銘柄にしても安泰とはいえない状況にある。というのは、決算発表があるからだ。

 決算発表は、企業の今後の業績を知るために不可欠のものではあるのだが、投資に必ずしもプラスするとは限らない。理想的な形は、好決算予想が明らかになれば株は新規の買いが入って上昇する。これになるのだが、そうならないことが多いのだ。

 東京市場の場合、デイトレーダーたち、短期売買を主とする投資家たちの売買に左右される度合いが強く、増収増益予想なのに株価が急落してしまう。こういうことが多いのだ。

 好決算の発表を見て買いを入れてくる投資家に、売りをぶつけて利食ってしまおう。こんな投資家が多く、その結果思いがけない下げになってしまうことが多々ある。

 それに対応するには、決算発表前に株価が上がっていたら、ひとまず売っておく。こうした方がよい。 
 さて残り少なくなってしまったが、ここでの注目銘柄。スターマイカ <3230> [JQ]、三光合成 <7888> [JQ]、Aクリエイト <8798> [JQ]、オプトエレ <6664> [JQ]、そして日経ブル2 <1579> [東証E]だ。

2015年5月15日 記

(月刊「チャートブック新興+2部」No.237より転載 )

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