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【植木靖男の相場展望】 ─ “指標株”三菱マテリアルの騰落に注目


「“指標株”三菱マテリアルの騰落に注目」

●米国株急落が投資家心理を圧迫

 18年年末にかけての安値1万9155円(終値ベース)からの上昇も3ヵ月目に入っている。この間もっともリスキーだったのは2月5日~8日にかけての急落。しかし、幸いにも首の皮一枚つながって辛くも危機を脱し、その後も上昇を続けた。

 そして、3月に入って再び危機が訪れている。すでに安値から48日目を過ぎている。上昇の日柄が長引けば長引くほど上昇の疲労度が高まるのは理の当然。

 3月4日の2万1822円を高値に再び急落した。

 この背景には、材料的には欧州連合(EU)など欧州景気の先行き不安、まもなく始まる日米貿易交渉への懸念、突如発表された内閣府の景気の下方修正などがあるが、何よりも米国株の急落が投資家心理を圧迫した。

 その米国株は、2月25日に高値をつけたが、3月4日の急落で調整局面入りが確定した。その後は周知の通りだ。

 日本の投資家心理は、常に米国株とともにある、という傾向は今も昔も変わらない。日本株の調整局面入り確定は3月8日の430円安だ。予想外の下げである。

 では、今後はどう展開するのか。

 これまでの上昇を支えてきた米中貿易問題解決への期待は、その効果を徐々に減衰。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の保有資産縮小の停止といった好材料も色褪せてきた。

 舞台は常に明から暗に、暗から明に転回する。今では経済協力開発機構(OPEC)による世界経済減速見通し、なかで米、日、中国、EUとどちらを向いても成長鈍化が際立つ。

 何か好材料はないか。内閣府発表の景気下方修正は、消費税引き上げ中止の大義となるのか。妙な噂も耳にする。

●二番天井を巡る2つのシナリオ

 さて、今後、株価はどう展開するのか。見通しはふたつあるようだ。

 ひとつは、これで18年10月の一番天井に対し、明確な二番天井を打ち、年内は騰落を交えながら景気減速を織り込みつつ下げるというシナリオ。もうひとつは、二番天井と断定するにはやや不十分。もう一度上値に挑戦するというシナリオ。だが、このシナリオには前提があって、今後、適切な景気対策が世界的に早期に打ち出されること。特に注目されるのが、中国の景気対策だ。期待は十分ありそうだ。

 その意味で三菱マテリアル <5711> に注目している。いうまでもなく、同社は銅の大手だが、銅は中国の景気次第だ。また半導体、電子部品など先端マテリアルを供給している。格好の指標株として見守りたい。日経平均よりも一足早く2月27日に高値をつけている。

 さて、物色の流れだが、かような下げ相場では銘柄を探し出すのも一苦労。ただ、言えることは、急落した3月7日~8日の動きをみると新安値に落ち込んだのは意外にも内需株が多いことだ。むしろ半導体などハイテク株は少ない。面白い現象だ。

 ひょっとして、次はハイテク株下げ過ぎの修正高があるかもしれない。期待したい。

2019年3月8日 記

株探ニュース

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