貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9983 ファーストリテイリング

東証P
40,820円
前日比
-370
-0.90%
PTS
41,080円
23:27 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
39.1 6.24 0.86 0.75
時価総額 129,898億円
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明日の株式相場に向けて=突如EVと半導体に吹いた風

 きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比335円高の2万7553円と3日続伸。2万7000円台前半の戻り売りをどうやらこなし切って、2歩進んで2歩下がるようなどっちつかずの相場展開からようやく一歩抜け出した感もある。目先は2万7300円どころに位置する25日移動平均線が意識されていたが、ここをクリアし、きょうは2万7500円台まで歩を進めてきたことで、視界が少し変わってきた。

 しかし、個人投資家目線では決して投資意欲が湧くような地合いではないようだ。「個人ではしっかり利益を出している投資家は思った以上に少数派。むしろ深みにはまってしまっている投資家が多い。例えばメルカリ<4385>のように信用買い残がパンパンに膨らんだ銘柄が株価を大きく下げる展開となり、投げを誘発するような状況となっている」(ネット証券アナリスト)という。メルカリについては、新市場への移行時にプライム市場行きが有力視されたことで、ファンド買い特需を見込んだ個人が信用枠をフル活用して買い向かったという経緯がある。しかし、株価は4月中旬以降に下げが加速した。

 また、中堅証券の営業体も「顧客の投資マインドが極端に低下していることは確か。資金に余裕のある向きも(コモディティとか)株以外のものを買おうとする人が多い」とする。更に、某証券系ディーラーの話では「今は個別株でも何を買うかではなく、何を売れば(空売りすれば)取れるかという話題の方がメインとなっている」という声すら聞かれる。

 日本ではゴールデンウィーク中にあたる、5月3~4日のFOMCがひとつのフシ目となる。FRBが0.5%の政策金利の引き上げと量的引き締め(QT)を決めたとしても、全体相場は目先アク抜け感から上がる可能性がないとはいえないが、やはり中長期投資は今の時期は危険と言わざるを得ない。全体が引き潮であってももちろん上昇する銘柄はあるが、大半の銘柄は放置しておくと徐々に沖に流されてしまうケースが増えそうだ。方策としては、その時の強い株につく順張りと売られ過ぎ銘柄を狙う逆張りを併用しながら、パフォーマンスを上げたら、こまめに岸に上がる(資金回収する)スタンスを心掛けるところ。「株はやるものではなく持つもの」という考え方は大切だが、株主としての立場を楽しめるのであればともかく、キャピタルゲインの追求を基本に考えた場合、今はその時期ではない。

 国内の決算発表については3月決算銘柄がきょうの日本電産<6594>などを皮切りに漸次本格化する方向にあるが、これに先立って海外主要企業の決算が相次いでいる。米国株市場ではネットフリックス<NFLX>が一昨日19日の取引終了後に発表した決算を嫌気され、前日に35%安に売り込まれるという大暴落となったのは市場関係者にも衝撃を与えた。この日1日だけで時価総額を7兆円近く吹き飛ばした勘定となるが、これはファーストリテイリング<9983>や三菱商事<8058>1社分が消えたに等しい。凄まじいインパクトである。今後もGAFAMの決算でこのようなことが起こらないとも限らない。

 もっとも、きょうの東京市場においては海外主要企業2社の決算発表が福音となった。まずは米EV大手のテスラ<TSLA>。現地20日に発表した同社の1~3月期決算は売上高が前年同期比8割強の伸びを示し、最終利益は同7.6倍となり、いずれも事前の市場コンセンサスを上回り過去最高を更新した。更に同期間のEV販売台数が7割近い急増をみせていることもサプライズを誘った。同社株は時間外で買われる展開となったが、それ以上に東京市場ではEV関連株へ激しく投資マネーが流れ込んだ。具体的にはEV用リチウムイオン電池材料を手掛ける戸田工業<4100>、ニッポン高度紙工業<3891>、日本電解<5759>、田中化学研究所<4080>、ダブル・スコープ<6619>などが一斉高となった。

 そしてもう一つは、オランダの半導体露光装置大手ASMLホールディング<ASML>の1~3月期決算である。売上高、一株利益ともに市場予想を上回ったほか、同社のピーター・ウェニンクCEOいわく、「今は過去経験したことのない需要が押し寄せており、来年にかけても需給タイトな状態が続く」との認識を示したことが、東京市場に風を起こした。レーザーテック<6920>と東京エレクトロン<8035>、この2銘柄がプライム市場の売買代金1位と2位を占めた。株価もレーザーテックが6%超の上昇をみせた。これで半導体関連に復活の狼煙が上がるかと言えば、必ずしもそう簡単ではないと思われるが、先行きをにらんでファンダメンタルズで買えるのは、やはりこの周辺株ということになるのかもしれない。

 あすのスケジュールでは、3月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では3月の英小売売上高、4月の仏購買担当者景気指数(PMI)、4月の独PMI、4月のユーロ圏PMI、4月の英PMI、4月の米製造業PMIなど。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2022年04月21日 18時38分

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