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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日立物流、東芝、ディスコ

日立物流 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日立物流 <9086>  7,760円  +1,000 円 (+14.8%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 日立物流<9086>はストップ高。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「日立製作所はグループ会社の日立物流を売却する方針を固めた」と報じられており、これが材料視された。記事によると、日立製作所<6501>は日立物流株式の4割を保有する筆頭株主だが、株式の売却により比率を1割まで引き下げる方針で、米大手ファンドのKKRに売却に向けた優先交渉権を与えたとしている。また、KKRは6000億円超を投じて日立物流を買収し非公開化する見通しという。報道に対して、日立は「当社が発表したものではない。本件に関して検討を行っているが、現時点で決定した事実はない」とのコメントを発表。日立物流も「当社が発表したものではない。本件を含めプライベート・エクイティファンドをパートナーとした資本政策を含めた協創戦略を検討しているが、現時点で決定した事実はない」とコメントしている。

■西松屋チェーン <7545>  1,555円  +78 円 (+5.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 西松屋チェーン<7545>が大幅続伸。21日の取引終了後に発表した4月度(3月21日~4月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比5.6%増と4カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。後半に気温が上昇したことで、春物衣料や夏物衣料、帽子や靴などの売り上げが大きく伸びた。なお、全店売上高は同8.7%増だった。

■東芝 <6502>  5,400円  +240 円 (+4.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 東芝<6502>は大幅高で連日の年初来高値更新。朝方に5496円まで上値を伸ばし、2013年以来約9年ぶりの高値圏に浮上する場面があった。21日の取引終了後に、自社の企業価値向上に向けた戦略的選択肢に関する提案を募集すると発表。選択肢には非公開化も含むとしていることから、これを受けてTOBを期待した思惑的な買いが集まっているようだ。提案募集に先立ち、同社は7日に戦略的選択肢の検討に向けた特別委員会を設置している。今後、パートナー候補となる潜在的な投資家やスポンサーから提案を受け、取引実現の確度など各観点から評価を行い、次回の定時株主総会後速やかにパートナーを選定する予定だ。

■イーグル工業 <6486>  1,008円  +44 円 (+4.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 イーグル工業<6486>が4日続伸。21日の取引終了後、集計中の22年3月期連結業績について、売上高が1390億円から1408億円(前の期比7.9%増)へ、営業利益が58億円から78億円(同34.4%増)へ、純利益が38億円から56億円(同39.7%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。自動車・建設機械業界向け事業で、顧客の自動車生産台数が前回予想時を上回って推移したことに加えて、舶用業界向け事業の需要が好調に推移したことが牽引した。また、年度末にかけての急激な円安も影響した。

■ディスコ <6146>  32,450円  +1,150 円 (+3.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 ディスコ<6146>は全体軟調相場に抗して続伸。前日の米国株市場で半導体関連が売られ、きょうの東京市場でもその流れを引き継ぐ形となっているが、同社株はこれに逆行している。21日取引終了後に発表した22年3月期の決算は営業利益が前の期比72%増の915億1300万円と急拡大、これを評価する買いが優勢となっている。旺盛な半導体設備投資の動きを背景に、ウエハー切断装置などをはじめとする半導体製造装置の需要が高水準で収益を押し上げている。好業績を背景に年間配当も808円(前の期実績は677円)と大幅増配を発表、これは従来計画の717円から91円の上乗せとなっている。これを評価する形で投資資金を引き寄せた。なお、23年3月期通期の業績予想は開示していないが、22年4~6月期については、前年同期比44%増の222億円を見込んでいる。

■SGホールディングス <9143>  2,228円  +70 円 (+3.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位
 SGホールディングス<9143>が全体下げ相場に逆行し、マドを開けて買われる展開。21日付の日本経済新聞電子版で、「日立製作所はグループ会社の日立物流を売却する方針を固めた」と報じられた。なかで、売却先の米投資ファンドKKRがTOBなどを通じて日立物流<9086>を非公開化する見通しにあるとされており、日立物流株の約1割弱を握るSGHDに売却益発生を期待した思惑的な買いが向かったようだ。

■森永乳業 <2264>  5,100円  +90 円 (+1.8%)  本日終値
 森永乳業<2264>は反発。この日、家庭用アイスクリームの一部商品を6月1日出荷分から値上げすると発表しており、同事業の採算改善を期待した買いが入った。対象となるのは「ピノ」「PARM(パルム)チョコレート」など17品目で、5.5%~11.1%値上げする。アイスクリーム類の原料である輸入乳原料、油脂、チョコレート、砂糖などが世界的な需要増加によって高騰しているほか、包装資材も高値で推移し、企業努力を超える水準に至ったため値上げするとしている。

■しまむら <8227>  11,520円  +200 円 (+1.8%)  本日終値
 しまむら<8227>が地合い悪に抗して上値指向、25日移動平均線をサポートラインに下値切り上げ波動を継続している。商品市況高騰などを背景に世界的なインフレ警戒ムードが強まるなか、日本国内でも円安と相まって企業のコスト上昇が顕在化し、特にアパレルや外食などの消費関連セクターには強い逆風として意識されている。そのなか、同社は高付加価値商品の拡充を進め、これまで前面に押し出してきた低価格戦略を軌道修正し業績拡大に向けた取り組みを強化する構えにある。22年2月期は営業利益段階で前の期比30%増益を達成したが、続く23年2月期についても前期比5%増の520億5800万円と利益成長を維持する見通し。PER11倍に割高感はなく、株式需給面では信用買い残も枯れ切った状態にあり下値抵抗力が強い。

■ユーグレナ <2931>  910円  +15 円 (+1.7%)  本日終値
 ユーグレナ<2931>は反発。21日の取引終了後、米カンザス州立大学の田村正明教授との共同研究で、微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)粉末の抽出物の摂取によるマウスの肺がんの増殖抑制は、腸内細菌叢(そう)(腸内フローラ)の変化が関与していることを示唆する研究結果を確認したと発表しており、ユーグレナの需要拡大につながるとの期待から買いが入った。腸内細菌の集団である腸内細菌叢は、免疫系の発達及び訓練、機能に不可欠とされている。今回の実験では、ユーグレナの抽出物を摂取させたマウスの糞便を別のマウスに移植することで、ユーグレナ抽出物を摂取していた場合と同程度まで肺がんの腫瘍重量が抑制され、ユーグレナ抽出物による肺がんの腫瘍重量の抑制は、抗生物質により腸内細菌叢を除外することで見られなくなったという。

■第一生命HD <8750>  2,680.5円  +42 円 (+1.6%)  本日終値
 第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>が日経平均株価が急落するなか、頑強な値動きで目立っている。FRBのタカ派傾斜を受けて米10年債利回りが再び上昇基調を強めていることにマーケットの注目が集まっているが、超長期債である30年債や20年債の利回りも上昇傾向が強い。米30年債利回りや20年債利回りは、10年債利回りに先立って3%台に乗せている。直近、米20年債は3.13%台まで上昇した。そうしたなか、金融機関のなかでも長期運用に力を入れる大手生保は、運用利ザヤ確保への期待で追い風局面にある。

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