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9928 ミロク情報サービス

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ミロク情報 Research Memo(7):2024年3月期は一時的に成長鈍化を見込むも保守的な印象


■今後の見通し

1. 2024年3月期業績見通し
ミロク情報サービス<9928>の2024年3月期の連結業績は売上高で前期比0.3%増の41,600百万円、営業利益で同0.3%増の6,100百万円、経常利益で同6.2%増の6,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.8%増の4,100百万円を計画している。売上高はソフトウェアの提供形態が売切り型からサブスク型へ移行することを勘案し、若干の増加に留め長期的に安定したストック型収益の積み上げを目指す。営業利益は減価償却費の増加や人員体制の強化(新卒入社78名)等による人件費の増加を見込むものの、プロダクトミックスの改善やその他の原価・販管費の圧縮努力、子会社業績の改善などにより増益を確保する。

単体業績は売上高で前期比2.6%減の35,000百万円、経常利益で同9.2%減の5,800百万円と減収減益計画となっている。ソフトウェアの提供形態が売切り型からサブスク型へ加速的に移行することでソフト使用料やユースウェアが増収となるもののソフトウェアの売上が減少するほか、2023年3月期に納期遅延分の売上計上で増加したハードウェアもその反動減やIaaS環境でのERP製品の提供が増加する影響もあり、減収を見込んでいる。なお、主力ERP製品のサブスク提供比率(金額ベース)は、2023年3月期の18%から25%超に上昇することを前提としている。25%のサブクス提供分を売切り型に割戻した場合の売上高は約30億円となる。サブスク型契約では2024年3月期に3~5億円の売上がソフト使用料に計上され、残りの25~27億円が2025年3月期以降に繰り延べられる格好だ。このため、サブスク型への移行スピードが売上高、営業利益の変動要因となり、25%よりも移行スピードが遅ければ2024年3月期の業績には増額要因となる。

グループ会社の業績は全体で増収増益となる見通しである。主要会社別では、受託開発3社やトランストラクチャ、MJS M&Aパートナーズが増収増益となる。トライベックについては増収となるものの、先行投資負担により若干の減益で計画している。受託開発3社はここ数年業績が伸び悩んでいたが、2024年3月期は同社から営業要員を出向させるとともに、同社の顧客を紹介してソリューション営業を展開することで各社の業績を拡大する方針である。また、トランストラクチャやMJS M&Aパートナーズについては人材体制の強化・育成に取り組み、成長を目指す。トライベックは「Hirameki 7」の機能強化に向けた開発と拡販活動を継続するなど先行投資を行い、2025年3月期以降の収益貢献を目指す。

2024年3月期の品目別売上高については、システム導入契約売上高が前期比8.2%減の21,710百万円と減少する一方でサービス収入が同9.4%増の15,589百万円、子会社を中心としたその他が同20.8%増の4,300百万円となる見通し。

(1) システム導入契約売上高
システム導入契約売上高は売切り型からクラウド・サブスク型への移行が進むことによって減収を見込んでいる。前期末の受注残高(単体)が前期比6.8%減の9,023百万円と既にピークアウトしていることや、同社の戦略としてもクラウド・サブスク型へ移行し、ストック型の収益構造の確立を目指していることから、今後も緩やかな減少傾向が続くものと予想される。品目別では、ソフトウェアで同9.6%減の12,480百万円、ハードウェアで同25.4%減の2,939百万円、ユースウェアで同6.5%増の6,290百万円を見込む。ユースウェアについては、クラウド・サブスク型の顧客向けにも売上が発生するため増収となる。販売先別で見ると、企業向けが同3.8%減の12,505百万円、会計事務所向けが同14.1%減の5,736百万円、その他(子会社売上、パートナー向け売上等)が同12.5%減の3,469百万円となる見通しだ。

(2) サービス収入
サービス収入の内訳は、ソフト運用支援サービスが前期比1.6%増の5,774百万円、TVSが同0.3%増の2,542百万円と微増に留まるのに対して、ソフト使用料が同33.7%増の5,262百万円と高成長を見込んでいる。主力ERP製品におけるクラウド・サブスク型契約の増加による月額課金収入の増加がけん引役となる。同社は中堅・中小企業向けERP製品の販売に特化したソリューション支社を新たに1支社立ち上げ、合計16のソリューション支社でソリューションビジネスを積極展開し、既存顧客のアップセル・クロスセルに加え新規顧客の開拓を推進しているが、まずはクラウド・サブスク型での提案を進めている。また、改正電子帳簿保存法やインボイス制度への対応、多様な他社製品とのAPI連携を図ることで新たな付加価値を提供し、IT補助金制度の活用も促しながら旺盛な需要を取り込む戦略である。こうした取り組みにより、主力ERP製品のサブスク提供件数は前期比50.5%増の3,100件に、ARPUは同4.1%増の800千円に引き上げ、ARRで前期比56.9%増の24.8億円を目指す。足元の受注状況は2023年3月期から引き続き順調に推移していることから、同社計画は十分に達成可能な水準と弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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