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9795 ステップ

東証P
1,964円
前日比
-7
-0.36%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.2 1.20 3.77 28.59
時価総額 327億円
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ステップ Research Memo(2):プロ教師による質の高い学習指導に定評(1)


■会社概要

1. 事業内容
ステップ<9795>は1975年の創業以来、神奈川県内で小中学生、現役高校生を対象とした学習塾「STEP」を展開し、2016年3月からは新たに学童保育部門「STEPキッズ」(小学1~4年生)を開設している。2022年10月末時点で、小中学生部門138スクール(うち23スクールはハイレベルな指導を行う「Hi-STEP」)、高校生部門15校、個別指導部門1校、学童保育部門3校、ステップジュニアラボ1校の合計158校を展開している。生徒総数もスクールの新設とともに年々増加しており、2022年10月末時点で3.2万人を超えた。売上高の約80%を小中学生部門で占めており、県内の公立進学高校トップ19校の合格者数では他塾を圧倒する実績を誇り、その学習指導力の高さと堅実経営に定評がある。

2. 同社の特徴と強み
同社の特徴と強みは、「教師のプロ化による質の高い学習指導」「ドミナント展開と口コミ情報による効率的なマーケティング戦略」「高い収益性・安定性」に集約することができる。

(1) 教師のプロ化による質の高い学習指導
同社は「教師は学習指導のプロでなければならない」という考え方のもと、教師を正社員化し、授業内容の専門化・高技術化に努め、その学習指導力によって高い進学実績を積み上げることを成長基盤としてきた。2022年10月末時点における全教師数719名のうち正社員教師は687名で、そのほか専任講師24名、非常勤講師8名(うち3名は英語科ネイティブ講師)の構成となっており、正社員比率で95.5%に達するなど、ほぼ100%がプロの教師と呼べる指導体制となっている。また、教師が生徒獲得のための勧誘活動(電話勧誘やポスティングなど)を行うこともなく、学習指導に専念できる体制を整えていることも特徴となっている。

各教師においては「日々指導技術の研鑽を怠らず、一人ひとりの生徒と向き合い、学力向上に真摯に取り組んでいく」ことを基本方針として、研修会なども定期的に行いながらスキルアップに努めている。具体的には、新人・2年目研修を毎週4時間実施しているほか、地域別研修を隔週で金曜日に2時間半、必要に応じてフォローアップ研修を毎週火曜日に2時間実施し、教務力の向上に努めている。

こうした教師のプロ化による質の高い学習指導によって、2022年春の高校入試では神奈川県内の公立高校トップ19校で2,395名(前年比203名増)の合格者を輩出、うち15校(前年15校)で塾別の最多合格者数となった。県内公立高校に進学した「STEP」生徒のうち、42.8%がトップ校に合格したことになる。また、県内特有の試験制度となる特色検査※(記述型)を実施した19校のうち15校(同15校)で塾別最多合格者数を出すなど、特色検査対策でも圧倒的な実績を誇り、神奈川県内の公立トップ校を目指す学習塾としてのブランド力がさらに強固なものとなっている。学習指導の質の高さもさることながら、過去の入試問題の分析・対策能力や的確な進学指導力なども高い合格実績につながっている。県内の競合大手としては、臨海セミナー、湘南ゼミナールなどがあるが、いずれも公立トップ19校の合格者数では、同社の半分以下の水準となっており、年々その差も開いてきている。さらに、「STEP」生徒の通学圏内で男女共学校として最難関と位置付けられる東京学芸大学附属高校(国立)の合格実績でも、合格者数は183名(帰国生と内部進学を除く。正規合格者112名は同総数240名のうち46.7%を占める)に達し、同社によると14年連続で全塾中トップの合格者となったと言う。

※特色検査:神奈川県公立高校入試において、共通試験や面接とは別に行う学力検査のこと。主に進学校が導入しており、問題を解決する粘り強い思考力等を把握するための科目横断型の試験。


一方、現役高校生向けの高校生部門に関しても、2022年春の大学受験では難関大学の合格者実績が2021年に続き大幅に増加した。国公立大学への合格者数が307名(前年比37名増)、早慶上智大学が468名(同30名増)、MARCH及び東京理科大学の合格者数が1,958名(同496名増)で、延べ合計2,733名(同563名増)となり、最難関の東京大学合格者数も13名(前年比3名増)と過去最高を更新した。この躍進の要因について、コロナ禍のなかでも質の高い授業を続けてきたことに加えて、地方から首都圏の大学に進学を志望する学生がコロナ禍で減少した結果、首都圏の現役高校生にとって競争環境面で有利に働いたものと分析している。

また、チューター制度が有効に機能したことも要因と考えられる。チューターとは、高校生の学習や進路、悩みなどの相談を受け、個々人に合わせた学習計画や合理的な受験作戦を提案するなど的確なアドバイスを行うスタッフである。同社では高校部の各校舎に専任のチューターを1校当たり2~8名配属しており、受験への不安を抱える生徒にとって良きアドバイザーとなっている。同社はチューターの機能を、小中学生部門の校舎でも導入し始めており、校舎で窓口業務とチューターの機能を果たすスクールキャストと呼ばれる正社員スタッフを増員している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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