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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9324 安田倉庫

東証P
1,383円
前日比
-13
-0.93%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.6 0.45 1.95 6.65
時価総額 420億円
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決算発表予定日

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安田倉庫 Research Memo(5):作業が伴うサービスは高付加価値(2)


■事業概要

(3) IT機器物流
IT機器物流では、IT機器の各種設定や動作確認のほか、保管やキッティング※作業、運用管理作業、保守までのサービスをワンストップで提供している。かつて大手PCメーカーの取扱いが多かったことから、PCやタブレット、スマートフォンなどのカスタマイズ作業から、大型サーバーの移設、回収した商品の廃棄やデータ消去などのサービスまで手掛けることができ、IT機器にカスタマイズした物流ソリューションとして定評がある。

※一般にキッティングとはPC導入時に実施するセットアップ作業を指すが、安田倉庫<9324>の場合、同社の倉庫で機械のボディに回路基盤を組み込むなど高度な作業もしており、セットアップメーカーに近い概念だと思われる。


なかでも、IT機器キッティングサービスについては、都心エリアに複数のキッティング専用施設を有し、専門エンジニアによる高品質なサービスを提供している。具体的には、PCやPOS端末、ATM端末などに関して、保管やキッティング作業から日本全国への配送、設置作業から動作確認作業、廃材の回収、不要機器の回収・廃棄、データ消去まで、つまり顧客側においては、IT機器の導入から撤去までの一連の作業をワンストップで提供している。また、同社のIT機器ライフサイクルサービスでは、IT機器の初期導入から社内運用・保守、回収・データ消去・廃棄までのライフサイクルにおけるサービスをワンストップで提供することで、顧客の管理運用業務の負担を軽減している。データセンター引越などの際のサーバー移設も、配送・設置はもちろん、アンラッキングやラッキング、結線作業支援を専門のエンジニアが行っている。機器の配送は、精密機器専用車や実績ある配送パートナーの活用で全国規模での配送が可能である。ほかにも24時間365日対応が求められる保守部品の管理や配送、コールセンターの受付対応サービスも提供している。

(4) 文書保管・情報管理・引越
顧客のオフィス空間を快適にする様々なメニューを取りそろえ、文書の安全な保管、検索、管理から、引越や引越に伴うレイアウト設計・内装工事まで、オフィスにおける様々なニーズにきめ細かくワンストップで対応している。なかでも文書保管サービスでは、書類や各種メディアを耐震性に優れた専用室で保管し、24時間体制のセキュリティで機密保持にも万全を期している。預かった書類は、ファイリング整理から書類の電子化、情報検索・配信、廃棄まで各種サービスを一貫して請け負うことができ、顧客の文書管理の効率化とオフィスの省スペース化をサポートしている。

独自のWeb在庫照会システムを利用することで、保管してある文書の在庫状況をリアルタイムに確認、倉庫への文書箱の入出庫指示なども簡単に行うことができる。顧客の依頼に応じて、契約書類を1件単位で検索し、検索した文書をイメージデータとしてメールなどに添付して顧客に送信することもできる(もちろんFAX送信や原本の郵送なども可能である)。書類や文書を電子化した各種デジタルメディアは、タイトルや検索用インデックスを作成することにより、必要な書類を効率的に探すことができる。文書リサイクル処理サービスでは、保管期限を過ぎた文書や不要になった文書などを破砕・溶解処理によって紙製品へとリサイクルし、機密保持と資源の有効活用を同時に実現している。

(5) 海外・国際物流
海外は、アジアを中心に独自ネットワークを構築しており、日本発着の国際輸送やそれに伴う通関業務など、顧客の国際物流と海外展開をサポートしている。国際海上輸送では、顧客の貨物特性に応じたサービスを用意、アパレル輸送ではハンガー納品(工場出荷のハンガーに掛けたままの状態での納品)に対応、独自の断熱ハンガーコンテナに収納することで輸送中のシワ防止や到着後のアイロン掛けなどの作業軽減を可能にしている。大型機械や鉄鋼・建材などの大型貨物、重量物・長尺貨物といった大型・重量物の輸送についても、事前に貨物特性などを綿密に打ち合わせすることにより、在来船への適切な積載方法などを提案している。また、酒類・飲料など液体輸送については、自社保有のタンクコンテナを利用して輸送することができる。

通関業務では、複雑な税関申告手続や食品衛生法・動植物検疫を始めとする法令関係手続の申請などをサポートしている。また、同社は「AEO(Authorized Economic Operator)通関業者(認定通関業者)」の認定を受けており、通関手続きを簡素化・迅速化することができる。航空輸送は混載ネットワークにより迅速かつ最適な方法でサービス提供しており、成田空港や関西国際空港などでは関係会社の芙蓉エアカーゴと連携して通関サービスや航空輸送サービスを展開している。中国や香港、ベトナム、インドネシアの自社拠点と海外代理店ネットワークを結ぶことよって、日本を経由しない三国間輸送サービスも提供している。

同社の子会社である安田物流(上海)は、上海市内の大型自社物流センターを中心に、高品質・高付加価値なサービスを提供している。具体的には、品質検査・包装・セット組み・ラベル貼りなどの作業や商品保管、中国全土への配送などの倉庫業はもちろん、中国EC販売のサポートや物流コンサルティング業まで幅広く対応している。なお、自社物流センターである青浦物流センターは総敷地面積38,169平方メートルの大型倉庫で、2017年2月に1号倉庫、2018年7月に2号倉庫が開業した。上海市内はもちろん、他都市へも好アクセスな立地にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《YM》

 提供:フィスコ

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