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9256 サクシード

東証G
959円
前日比
-6
-0.62%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.9 1.55 1.46
時価総額 34.3億円
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サクシード Research Memo(9):対面型家庭教師サービス以外は極めて順調


■サクシード<9256>の業績動向

2. 2024年3月期第2四半期の事業セグメント業績
セグメント別の業績は、教育人材支援事業が売上高562百万円(前年同期比30.8%増)、セグメント利益116百万円(同32.7%増)、福祉人材支援事業が売上高249百万円(同10.8%増)、セグメント利益84百万円(同20.6%増)、個別指導教室事業が売上高619百万円(同11.1%増)、セグメント利益131百万円(同12.8%減)、家庭教師事業が売上高231百万円(同15.1%減)、セグメント利益18百万円(同64.8%減)と、外部向け人材サービスが好調で、自社ブランド教育サービスが苦戦した格好だ。しかし、それぞれのセグメントの環境や戦略の違いにより、業績内容はまちまちである。

(1) 外部向け人材サービス
教育人材支援の市場は、教育の質向上や学校教員の過重労働問題の解消が社会課題になっていることから、着実に成長している状況だ。同社の教育人材支援事業でも、様々な分野で2ケタ以上の伸びとなるなど好調を続けている。教育現場のDX化を背景に地方自治体向けのICT支援員派遣サービスの受注が拡大した。部活動の運営受託サービスについては、私立学校だけでなく公立学校からの受注も拡大し、学校教員の紹介サービスも増加した。日本語教師は、新型コロナの5類への移行に伴い外国人人材の受入れが再開された民間企業からの受注が回復した。学習塾向け人材派遣サービスは、平均時給が急上昇している飲食業との人材争奪が激しくなったが、人材ニーズも依然強く売上は増加した。この結果セグメント利益は、将来の事業拡大を見据えた社員増や新規登録者獲得のための募集費などコスト負担は増したが、売上高の増加でカバーし大幅増益となった。

福祉人材支援事業では、保育施設が多くできたため採用意欲が旺盛となる一方、適材不足から人材の質が問われる状況となった。そうなるともともと高かった保育士の離職率がさらに高まることになるが、同社は保育園の特色と保育士の求める働き方をきめ細かくマッチングできるため適材を紹介・派遣でき、離職率は業界平均に対して遥かに低いようだ。学童施設向け及び障がい児施設向けサービスも増加した。特に学童施設の施設数は多いのだが、人員確保の面から受け入れ体制が十分とは言えない。施設の運営には教員免許や保育士資格などを持つ有資格者が必要になってくる。同社は豊富な人材データベースを背景に施設のニーズに対応している。さらに地方自治体向けに人材サービスを新規受注するなど、福祉人材支援事業の拡大が進んでいる。このため、介護向け人材サービスからの撤退で介護関連の売上高は減少したものの、保育関連の人材紹介及び人材派遣が順調に伸びて全体で増収を確保し、不採算事業であった介護向け人材サービスからの撤退により利益率が改善した。

学校や福祉の人材に関して、外部人材や企業を活用することが共通認識になりつつある。さらに、学校教師の過重労働をシェアするだけではなく、障がい児や外国人の子ども、生活困窮世帯を個別にサポートするニーズもクローズアップされるなど多様性が求められている。そして、従来教員のサポート的存在だった学校支援員や介助員、相談員、日本語教師も、教育の現場で子どもを育成することが求められるようになり、その分、質も問われるようになってきた。また、学校を特徴付けるための学校内塾のニーズの広がりや、「DXハイスクール」のスキームもある。こうした状況に適応できる人材が圧倒的に不足していると言われるなか、教員や保育士の紹介・派遣を得意とする同社にとって、ビジネスチャンスが広がっていると言うことができる。既に自治体や企業からの問い合わせが増えている。

(2) 個別指導教室事業
個別指導教室においては、既存校舎が順調に推移していることに加え、2022年7月に「中川校」、10月に「湘南台校」、2023年2月に「ペンタスキッズセンター北校」、6月に「本厚木校」、7月に「淵野辺校」及び「新松戸校」を開校し、新規校舎の入塾者数が順調に伸びた。特に「新松戸校」は神奈川県以外での初めての出店となったが、好スタートを切っており、その他の新規校舎も順調な立ち上がりとなった。このため売上高は2ケタ増となったが、新規校舎の出店加速により立ち上げ初期段階の教室が全29教室中6教室となるなど、初期費用や人件費、広告宣伝費など大きくなった先行費用をカバーできず、想定どおり減益となった。なお、「新松戸校」のコストは、新規エリアとはいえ、神奈川エリアの教室と比べて認知度を上げるための広告費がアドオンされた程度である。

(3) 家庭教師事業
家庭教師サービスにおいては、オンライン型家庭教師が、客数・客単価ともに増えたことで増収となった。一方、対面型家庭教師は会員数の減少により減収となった。この要因は、東海地方や九州地方などで一気に拡大するために、ホームページのリニューアルやリスティング広告、ランディングページなど様々な広告手法を使って先行的にプロモーションを強化したものの、かえって効果が分散し会員数の減少につながったことによる。また、こうしたタイミングで入会金を無料化したことで単価も下落することになった。このため第2四半期のセグメント利益は、オンライン型家庭教師は順調だったが、対面型家庭教師の苦戦により大幅な減益となった。ただし、対面型苦戦の要因が分析されているため、下期から2025年3月期の収益改善に向けて既に修正に入っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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