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9029 ヒガシトゥエンティワン

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ヒガシ21 Research Memo(6):2023年3月期は計画を上回る大幅増収増益で過去最高業績


■業績動向

1. 2023年3月期連結業績の概要
ヒガシトゥエンティワン<9029>の2023年3月期の連結業績は、売上高が2022年3月期比24.5%増の34,807百万円、営業利益が同29.3%増の1,908百万円、経常利益が同21.3%増の2,026百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同13.2%増の1,268百万円だった。前回予想(2022年10月28日付の上方修正値、売上高33,000百万円、営業利益1,780百万円、経常利益1,850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,170百万円)を上回る大幅増収増益で過去最高業績だった。

売上面では、2021年10月に開始した関西電力資材調達3PL事業が通年化したこと、オフィスサービス事業が大型案件も寄与して拡大したこと、大手e-コマース会社向け売上が拡大したこと、山神運輸工業を期首より新規連結したこと、第3四半期より旅人を新規連結したことなど、中期経営計画達成に向けた重点事業の順調な拡大やM&A効果によって大幅増収だった。

利益面では、事業成長に向けた人材投資に伴う費用等の増加に加えて、2023年4月の大型3PLセンター開設(北大阪ロジスティクスセンター、流山ロジスティクスセンター・流山IIロジスティクスセンター、鳴尾浜ロジスティクスセンター)に向けた初期投資(備品・什器・消耗品等の一時的費用)が発生したが、大幅増収効果や業務効率改善効果などで吸収した。売上総利益は20.7%増加し、売上総利益率は20.1%で0.7ポイント低下した。利益率の低い関西電力資材調達3PL事業の売上構成比が上昇したこと、子会社イシカワコーポレーションの連結取込が前期は15ヶ月だった反動や倉庫集約費用が発生したことなどが影響した。販管費は17.8%増加し、販管費比率は14.7%で0.8ポイント低下した。営業外収益では助成金収入が減少(前期は127百万円計上、当期は34百万円計上)した。特別利益では前期計上の負ののれん発生益46百万円が剥落した。

2. 報告セグメント別の動向
報告セグメント別の動向は以下のとおりである。

運送事業の売上高は22.0%増の21,021百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)は30.0%増の2,337百万円だった。オフィスサービス事業が大型案件も寄与して拡大し、新規連結開始した山神運輸工業も寄与して大幅増収増益だった。倉庫事業の売上高は7.9%増の7,986百万円、利益は14.6%減の955百万円だった。小牧物流センターや春日井物流センターの開設も寄与して増収だが、利益面は大型3PLセンターの開設費用やイシカワコーポレーションの倉庫集約費用など、一時的費用の発生により減益だった。

商品販売事業の売上高は84.8%増の4,009百万円、利益は198.8%増の190百万円だった。関西電力資材調達3PL事業が通年化して大幅に伸長した。ウエルフェア事業の売上高は4.1%増の977百万円、利益は2.0%増の141百万円だった。福祉用具の新規レンタルが増加した。その他の売上高は294.0%増の813百万円、利益は1028.0%増の111百万円だった。下期から旅人を新規連結し、物流システム開発支援案件の受注も寄与した。

3. 事業領域別の動向
事業領域別の動向は以下のとおりである。

前「中期経営計画2023」で設定していた重点事業のうち、オフィスサービス事業の売上高は19.2%増の5,595百万円だった。関西圏における大型案件受注、関東圏における業容拡大で大幅増収だった。3PL事業の売上高は56.3%増の7,831百万円だった。関西電力資材調達3PL事業の通年化、小牧物流センターや春日井物流センターの開設などで大幅に拡大した。ビルデリバリー事業の売上高は9.8%増の1,767百万円だった。メール室業務の受託増加などで増収と順調だった。

基幹事業(既存の輸送サービス等)の売上高は19.6%増の17,045百万円だった。山神運輸工業の通期連結や旅人の下期連結も寄与して大幅増収だった。独自事業の介護サービス事業の売上高は福祉用具の新規レンタル増加で4.1%増の977百万円、ITサービス事業の売上高はキッティング業務の大型案件受注などで10.2%増の1,591百万円だった。

なお、M&Aによる売上高(2023年3月期時点ではすべて基幹事業の内数としてカウント)は77.3%増の5,577百万円だった。山神運輸工業の通期連結と旅人の下期連結が寄与した。

4. 財務の状況
財務面で見ると、2023年3月期末の資産合計は2022年3月期末比3,086百万円増加して21,226百万円となった。営業未収入金及び契約資産が885百万円増加、商品が201百万円増加、前払費用が157百万円増加、のれんが旅人を子会社化したことに伴い349百万円増加、投資有価証券が160百万円増加、差入保証金が757百万円増加した。負債合計は2,078百万円増加して10,355百万円となった。営業未払金が157百万円増加、短期借入金が600百万円増加、未払金が399百万円増加、長期借入金が629百万円増加した。純資産合計は利益剰余金の増加等で1,007百万円増加して10,870百万円となった。

この結果、自己資本比率は前期末比3.2ポイント低下して51.2%となったが、業容拡大に伴う資産・負債の増加が主因であり、営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持していることなどから、財務の健全性は引き続き良好と弊社では考えている。また、ROE(自己資本当期純利益率)は0.3ポイント上昇して12.2%となった。業容を拡大しながら財務の健全性が維持されていることに加え、資本効率の向上が進展していることも評価したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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