信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

8938 グロームHD

東証G
592円
前日比
-7
-1.17%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.70
時価総額 53.6億円
比較される銘柄
トラストHD, 
ウィル, 
リアルゲイト
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

フィンテック“旋風”再び、改正法成立で「大反騰」 <うわさの株チャンネル>


―戻ってきた活気、現実買いへの移行―

 伊勢志摩サミットを目前に、25日の東京株式市場は日経平均株価が250円以上の上昇をみせ、1万6000円台半ばのもみ合いを上に放れつつある。しかし、売買代金は23、24日と2日連続で今年最低水準を記録、25日も1兆7000億円台にとどまるなど市場エネルギーは低調が際立ち、“閑散相場に売り無し”を地で行く展開だ。売り圧力の弱さはポジティブ材料だが、真空地帯の上げ相場で、少なくとも実需面から主力株への見直し買いが流入している気配はない。

 個人投資家にすれば、昨年来の成長テーマを拠りどころとしたエキサイティングな中小型株物色の流れに期待したいところだ。そのなか、フィンテック関連株の一群がにわかに活気を取り戻し、市場関係者の視線を引きつけた。

●改正銀行法成立で色めき立つ

 政府は今年3月初旬に、「ビットコイン」など仮想通貨に対する規制を盛り込んだ資金決済法改正案および銀行法改正案を閣議決定し、仮想通貨の貨幣としての機能を認定する方向となったが、今国会の会期末6月1日を前にして月内の改正法成立が見込まれていた。そのなか、25日に参院選本会議で可決・成立したことを受け、これが関連銘柄のビジネスチャンス拡大に向けたメルクマールとして改めてマーケットの耳目を集めた。

 今回の改正法成立で銀行や持ち株会社による事業会社への出資制限を緩め、IT企業への出資を促すほか、ビットコインなどの仮想通貨に対しても国内では初めてとなる法規制が盛り込まれた。「日本ではフィンテック分野での展開では欧米に大きく遅れをとっているが、今後はフィンテックのサービスが利用しやすくなることで、徐々に現実買いの動きに移行しそうだ」(国内中堅証券情報部)との見方が物色資金を誘導した背景とみられる。

 民間ではインフォテリア <3853> [東証M]をはじめ34社が一丸となって、ビットコインの基盤テクノロジーとして注目されるブロックチェーン技術の開発や推進を行う「ブロックチェーン推進協会」が4月25日付で設立されており、今後の展開に期待がかかっている。

●ストップ高銘柄も複数出現

 日経平均が大きく上昇する場面では、主力大型株中心の物色動向を反映し、逆に人工知能関連バイオ、フィンテック、ドローンといった中小型株のテーマ買いの動きは鳴りを潜めるケースが多い。しかし、25日はフィンテック関連に位置付けられる銘柄群についてこのセオリーは当てはまらなかった。

 マネーパートナーズグループ <8732> が一時100円高の738円とストップ高に買われ、セレス <3696> [東証M]も引け際まで値幅制限上限の400円高、2030円近辺で売り物を吸収する強さをみせた。マネパGはFX専業大手だが、ブロックチェーン技術開発を手掛けるテックビューロと100%子会社を通じて業務提携しており、同分野で先駆する存在である。また、セレスは昨年12月にビットコインサービスを手掛けるビットバンクに追加出資するとともに業務提携を決定、直近では決済連動アプリを提供するアイ・ティ・リアライズと資本提携し注目された銘柄だ。

 また、ブロックチェーン技術を使ったフィンテック関連のスマートフォン用アプリをテックビューロと共同開発し、NTTグループとの連携による展開力に思惑をはらむアイリッジ <3917> [東証M]も大幅高。同じくテックビューロと協業体制を構築し、昨年来フィンテック関連のツートップ銘柄に目されたインフォテリア <3853> [東証M]、さくらインターネット <3778> などにも当然のように投機資金が流入した。

 このほか、同関連テーマで常連のフィスコ <3807> [JQG]やロジコム <8938> [JQG]、ウェルネット <2428> 、ラクーン <3031> などにも買いの矛先が向かい、最近の怒涛の上昇相場を彷彿とさせる動きをみせている。

●収益変貌銘柄の出現を待つ

 ただし問題は、今後も戻り売りを凌駕して、フィンテック関連の物色人気が続くかどうかだ。フィンテックのテーマ自体はグローバルに浸透しており、有望テーマであることに変わりはないが、株価面では上値にシコリを作ってしまった銘柄も多く、ここからの上値追い本格化には懐疑的な見方が多いのも事実。「モメンタム相場が進行している最中は気にならないが、いったん大きく調整を入れるとPERの割高感などが重荷となる」(国内投資顧問)という見解が、今の投資家心理を代弁している。

 マザーズ人気が一巡した現状では、短期的には上値は限られそうだ。しかし、これは成長性の否定ではない。「人工知能やバイオ同様に国策としての後押しが見込める分野であること。また、我々がフィンテックの可能性についてまだよく理解していない部分があり、収益面で変貌を果たす銘柄が仮にひとつでも出てくれば、これが他の銘柄にも広がり、改めて強力なテーマ性を発揮する可能性が高い」(国内準大手証券マーケット支援部)との指摘が中期的な視野で的を射ている可能性がある。

(中村潤一)


株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均