FJネクスト Research Memo(7):景気回復とともに順調な業績拡大を継続
■業績動向
(1)過去の業績推移
過去の業績を振り返ると、首都圏における資産運用型マンションに対する賃貸需要、並びに購入需要の拡大に支えられて、業績は総じて順調に推移してきた。2009年3月期にリーマン・ショックに伴う景気後退の影響で業績のボトムを迎えたものの、FJネクスト<8935>は、仕入高を追わずに採算性に合った仕入れを継続していくという方針のもと、堅実な物件開発を進めたことで、大きな痛手を被った不動産業界においては比較的軽微な落ち込みで乗り切り、その後は景気回復とともに順調に業績を拡大。2012年3月期にマンション販売戸数1,000戸に到達すると、創業35年を迎えた2014年3月期には売上高、利益ともに過去最高業績を達成し、社歴を重ねつつも、まだまだ成長過程にある企業であることを市場にアピールした形となった。2015年3月期は竣工時期の関係等により業績は一旦踊り場を迎えたが、2016年3月期には再び大幅な増収を見込んでおり、同社の成長基調に変化はないものとみられる。ただ、利益面では、2015年3月期以降、土地仕入価格や建築費の高騰が利益率の水準を押し下げる状況が続いている。
財務面では、自己資本比率は内部留保の積み上げ等により上昇傾向をたどってきており、2015年3月期も62.5%と高い水準にある。有利子負債残高についても2010年3月期以降安定的に推移しており、財務基盤の安定性に懸念はない。
なお、同社がリーマン・ショックに伴う厳しい業界環境を比較的スムーズに乗り切れたのは、厳選された好立地を含め、収益還元法による採算性を重視した「ガーラ」ブランドの資産価値の高さ、並びに同社の財務基盤の安定性によるものと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
《HN》
提供:フィスコ