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8934 サンフロンティア不動産

東証P
2,017円
前日比
+29
+1.46%
PTS
2,014円
13:07 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.4 1.10 2.78 23.18
時価総額 983億円
比較される銘柄
東建物, 
三井不, 
サムティ
決算発表予定日

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サンフロ不動産 Research Memo(5):2023年3月期は2期連続の増収増益。ホテル運営事業が急回復


■業績動向

1. 2023年3月期決算の業績概要
サンフロンティア不動産<8934>の2023年3月期決算の業績は、売上高82,777百万円(前期比16.2%増)、営業利益14,905百万円(同22.9%増)、経常利益14,722百万円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,612百万円(同56.6%増)となり、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となった。オフィスビルとホテルの売却益が業績に大きく貢献した。不動産再生事業の利益はほぼ期初計画どおりの着地となり、セグメント利益率は30.7%と前期を上回る高い利益率となった。不動産サービス事業は、すべての事業において伸長した。コロナ禍による経済社会活動の制約が緩和されたことで貸会議室事業の稼働も上向き、拠点の拡充や増床が業績に寄与した。仲介事業も好調を維持している。ホテル・観光事業は、ホテル物件の売却が業績に大きく貢献した。全国旅行支援や入国制限緩和後の需要拡大により、平均客室稼働率と平均客室単価が上昇し、業績は回復基調にある。足元では仕入活動を強化しており、2024年3月期以降もさらなる成長が期待される。

2. セグメント別の事業動向
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業は、売上高50,066百万円(前期比10.5%減)、セグメント利益15,343百万円(同5.7%減)となった。前期と比較して売上高・セグメント利益はわずかに減少したものの、高水準の利益率を維持した。不動産小口所有商品の組成も着実に進捗した。平均事業期間は、652 日となった。中長期案件を売却したものの、前期の707日に比べ55日短縮化した。リプランニング事業における販売件数は24 件となった。仕入は32,860百万円で同5,260百万円増加した。コロナ禍前の業績水準への回復に向けて仕入を強化したことによる。

(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業は、売上高8,843百万円(同23.6%増)、セグメント利益4,890百万円(同28.6%増)となった。プロパティマネジメント及びビルメンテナンスでは、両事業ともに管理受託棟数の増加により増収増益となった。仲介事業においては、売買仲介は他部門からの紹介案件を成約につなげて増収増益となった。賃貸仲介は市場回復により増収増益となった。貸会議室では需要の回復が堅調となり、稼働率向上や案件大型化に加え新拠点及び増床拠点の業績寄与により増収増益となった。滞納賃料保証では新規契約件数が前期よりも増加し、増収増益となった。

(3) ホテル・観光事業
ホテル・観光事業は、売上高22,967百万円(同232.3%増)、セグメント利益1,720百万円(前期は1,950百万円の損失)となった。ホテル開発事業では、第2四半期に売却契約したホテル物件3件のうち、2件を2022年10月末に売却引き渡し完了したことで、業績が大きく進捗した(残りの1件は2023年4月に売却引き渡し完了)。ホテル運営事業では、国内観光需要及びインバウンドの回復が進み、平均客室稼働率・平均客室単価ともに向上し、セグメント利益が黒字に転換した。

(4) その他事業
その他事業は、売上高1,788百万円(同5.5%増)、セグメント利益283百万円(同177.8%増)となった。建設事業では、グループ会社において工事完了が早まり、前倒しで計上されたことで売上高・利益ともに伸長し、増収増益となった。海外開発事業では、前期にベトナムとインドネシアともに所有物件を売却していた反動から売上高が減少した。引き続き、案件組成に注力していく。

3. 財務状況
2023年3月期決算の資産合計は、前期末比16,007百万円増の152,519百万円となった。仕掛販売用不動産が2,679百万円減少したほか、差入保証金は貸会議室の出店に伴い増加するもホテル販売に伴う返戻が上回り1,515百万円減少した。一方で、リプランニング物件とホテル物件の売却により現金及び預金が11,962百万円増加した。販売用不動産はホテル2件の売却により減少するも、リプランニング物件は売却とともに仕入も進捗し5,558百万円増加した。

負債合計は前期末比6,493百万円増の68,553百万円となった。仕入・工事進捗に伴う借入により有利子負債残高が4,589百万円増加した。純資産合計は同9,513百万円増の83,965百万円となった。増配による減少があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益11,612百万円の積み上げ等により増加した。自己資本比率は同0.7pt上昇の52.9%となり、財務健全性は盤石であり短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。

2023年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比11,962百万円増の41,914百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローが16,544百万円の収入となった。これは主に、増加要因として税金等調整前当期純利益14,745百万円、減価償却費1,968百万円、棚卸資産の減少による収入1,854百万円及び仕入債務の増加による収入1,155百万円があった一方で、減少要因として法人税等の支払額5,729百万円、利息の支払額490百万円等があったことによるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは6,681百万円の支出となった。増加要因は、敷金及び保証金の回収による収入2,337百万円等があったこと、減少要因は有形固定資産の取得による支出7,531百万円、差入保証金の差入による支出692百万円等があったことによるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは2,039百万円の収入であった。増加要因は、長期借入れによる収入23,261百万円等があったこと、減少要因として長期借入金の返済による支出18,691百万円、配当金の支払額2,239百万円等があったことによる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《AS》

 提供:フィスコ

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