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8934 サンフロンティア不動産

東証P
2,030円
前日比
+42
+2.11%
PTS
2,050円
23:39 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.0 1.09 3.25 23.18
時価総額 990億円
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サンフロ不動産 Research Memo(1):都心オフィスビル事業を中心に高収益・高稼働の物件を提供


■要約

サンフロンティア不動産<8934>は、世界の大都市、東京におけるオフィスビルや店舗ビルを中心に、不動産活用の専門サービスを提供する企業である。同社グループの事業は、「不動産再生」「不動産サービス」「ホテル・観光」の3事業に大別される。不動産再生事業は主に不動産のリプランニングや賃貸ビル・不動産小口所有商品を、不動産サービス事業は主にオフィスの売買仲介・賃貸仲介、プロパティマネジメント、ビルメンテナンス、滞納賃料保証、貸会議室を主な事業内容としている。ホテル・観光事業はホテルの運営・開発・再生・販売、地域創生事業などを手掛けている。不動産再生事業を軸に、不動産サービス事業、ホテル・観光事業、その他事業と最適な事業ポートフォリオを構築することで、収益の多角化を実現している。これにより新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)といった事業環境の急変化にも柔軟に対応し、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益については期初計画を12期連続で達成した。また同社グループのクレドである「利他」の精神が、全従業員の価値観を揃え部門間での協業を可能にし、付加価値の高い商品とサービスを生み出す強みとなっている。

1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期決算の業績は、売上高82,777百万円(前期比16.2%増)、営業利益14,905百万円(同22.9%増)、経常利益14,722百万円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,612百万円(同56.6%増)となった。オフィスビルとホテルの売却益が業績に大きく貢献した。不動産再生事業は期初計画どおりの着地となった。不動産サービス事業はすべての事業において伸長した。仲介事業も好調を維持した。ホテル・観光事業はホテル物件の売却が業績に大きく貢献した。全国旅行支援や入国制限緩和後の需要拡大により、業績は回復基調にある。不動産再生事業においては、良物件を確保し高収益・高稼働の商品として提供することが課題である。足元では仕入活動を強化しているため、2024年3月期以降はさらなる成長が期待される。

2. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の業績予想は、売上高83,000百万円(前期比0.3%増)、営業利益16,500百万円(同10.7%増)、経常利益16,000百万円(同8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,000百万円(同5.3%減)としている。不動産再生事業では、物件売却で利益率30%を継続し前期並みの利益を確保する。不動産サービス事業では、貸会議室の需要回復を中心として全事業で堅調な成長を継続していく。ホテル・観光事業では国内観光需要やインバウンド需要の回復を背景に、利益は前期比大幅伸長を計画している。同社グループはコロナ禍等の事業環境の急変化にも柔軟に対応し、期初予想の達成を継続している。足元の事業環境は好調に推移していることからも、通期計画実現の蓋然性は高いと弊社では見ている。

3. 成長戦略
同社グループは中期経営計画において、2025年3月期に売上高1,000億円、経常利益200億円を掲げている。経営指標は、経常利益率20%以上、自己資本比率50%水準、ROE10%以上としている。各事業において成長戦略を打ち出し、ESG、デジタル、キャッシュ・フロー、マーケティングを重点ポイントに挙げている。全体では基本方針として、オフィス需要の増減などのリスクにも対応しつつ、収益基盤の多角化やESG投資の推進など、将来的な成長戦略に積極的に取り組んでおり、安定的な収益の確保と将来的な成長に向けた期待が高まる。また、1株当たり当期純利益は2022年3月期から右肩上がりであること、安定配当を継続していることからも、中長期的な株価向上に対する蓋然性も高いと弊社では見ている。

■Key Points
・都心オフィスビル事業を中心に、安定的な利益創出による底堅い成長を実現
・2023年3月期決算の業績は、オフィスビルとホテルの売却益が業績に大きく貢献し増収増益。2024年3月期以降を見据えた仕入活動の強化も順調に進捗
・2024年3月期の業績予想は、各事業の成長により増収増益見込み。事業環境の急変化にも柔軟に対応し期初予想の達成を継続、通期計画実現の蓋然性は高い

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《AS》

 提供:フィスコ

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