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8876 リログループ

東証P
1,378.5円
前日比
+8.0
+0.58%
PTS
1,374.2円
22:54 04/30
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.1 2.76 2.68 49.62
時価総額 2,109億円
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リソル, 
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決算発表予定日

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APAMAN Research Memo(7):賃貸管理の収益向上と管理戸数の積み上げ等により持続的成長を目指す(1)


■今後の見通し

2. 成長戦略
APAMAN<8889>は「不動産×Technology価値あるサービスを社会へ」をビジョンに掲げ、Platform事業、Technology事業を主軸に持続的な成長を目指す戦略を打ち出している。主な成長戦略としては、賃貸管理の収益向上、賃貸管理物件の獲得、借上社宅の拡大の3点となる。

(1) Platform事業
Platform事業では、DXの推進による業務効率の向上や顧客サービスの品質向上に取り組み、賃貸管理や斡旋事業の収益力を強化するとともに、不動産オーナーとのコミュニケーションの促進、管理受託の強化等により管理戸数を積み上げることで賃貸管理事業の収益拡大を進めていく戦略だ。また、成長余地の大きい借上社宅事業も注力分野としてリソースを投下し、さらなる売上拡大を目指す。

a) 賃貸管理・斡旋事業の収益力強化
賃貸管理部門の収益力強化施策として、付加価値の高いサブリース契約の比率を高める方針で、引き続き契約条件の悪い物件に関しては、不動産オーナーと交渉し契約内容の見直しを進めることにしている。都市部では前期までに見直し作業が一巡したが、地方エリアではまだ残っているようで2024年9月期にこれら物件の交渉を進めていく。交渉の過程でサブリース契約から賃貸管理契約への切り替わりや、解約が発生したとしても、利益面へのマイナス影響はほとんどなく、契約条件の見直しが進んだ場合には増益要因となる。また、サブリース物件の入居率を高めることで収益性の向上を図る。入居率が1%上昇すると売上総利益で年間3億円弱の増益要因となるため、入居率上昇による利益改善余地は大きい。現在の入居率は92%台だが、2015年頃には95%台で推移していたこともあり、自社管理物件の斡旋に注力することで同水準まで引き上げていくことは可能と弊社では見ている

一方、斡旋事業の収益力強化施策としてはDX化の推進が挙げられる。「アパマンショップ」店舗におけるオンラインサービスの拡充を図ることで集客力及び成約率を高めていく。それと同時に、店舗スタッフの生産性向上によって収益性を高めていく。自社管理物件の斡旋を引き続き強化するため、売上高は伸び悩む可能性もあるが収益性は向上する。接客に関しては物件の探索から予約、内見、重要事項説明、契約、鍵の受け渡しに至るまですべて来店不要で完結する仕組みも業界に先駆けて構築しており、今後もサービス品質を向上していくことで集客力の維持向上を図る。また、店舗でも閑散期に管理物件の受託に関する営業も推進する。管理物件を持つことで店舗の収益力強化につなげる戦略だ。

b) 賃貸管理戸数の積み上げ
賃貸管理戸数については、2024年9月期も前期比で若干減少で想定している。サブリース契約条件の見直しを継続しており、不動産オーナーとの交渉によって一定程度解約が発生するリスクを織り込んでいることや、M&Aによる新規取得を想定していないためだ。好条件の案件が出てくればM&Aを行う可能性もあるが、当面は自力で賃貸管理戸数を積み上げる方針だ。具体的には、既存の不動産オーナーの新規物件を獲得していくほか、口コミ紹介による獲得を進める。また、解約率低減のため、不動産オーナーとのコミュニケーション強化も継続して行う。前述したとおり賃貸管理部門と斡旋部門の組織を統合したことで、閑散期には店舗スタッフが不動産オーナーとコミュニケーションを積極的にとり、要望などをヒアリングして解決につながるサービスを提供するなど地道な取り組みを進めている。M&Aのように一気に管理物件数を増やすことは難しいが、買収コストが掛からないため費用対効果という点では高くなる。人員体制については現状水準を維持する方針だ。弊社では、管理戸数1千戸当たりの営業利益は年間で20~30百万円程度になると試算している。年間1千戸ペースで積み上げることができれば、年間20~30百万円の営業利益の増加要因となる。

c) 借上社宅事業の育成
2021年9月期より本格的に開始した借上社宅事業については、提携社数の規模拡大を図りながら転貸サービス契約件数を伸ばし、2024年9月期以降も2ケタ成長を目指す。借上社宅の業界最大手はリログループ<8876>の子会社(株)リロケーション・インターナショナルであり、2023年9月末のグループ管理戸数は約24.4万戸(前年同期比7.6%増)と増加基調が続いている。借上社宅管理事業の2024年3月期第2四半期累計業績も売上収益で13,225百万円、営業利益で3,254百万円と増収増益が続いている。同社は後発となるものの業界全体が拡大を続けていることや、社宅斡旋では多くの顧客基盤を有していること、全国に1,000店舗を超えるFC加盟店舗数があり、これら加盟企業と協業していくことで同事業を収益柱の1つとして伸びる可能性は十分にあると弊社では見ている。管理業務手数料が550円/月(税込)と少額となるため、付帯商品・サービスを提供することで付加価値を高める戦略だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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