日証金 Research Memo(7):充実した株主還元の実施
■株主還元策
日本証券金融<8511>は、証券市場のインフラの担い手として求められる経営の安定性や財務の健全性を確保するために、強固な自己資本を維持するとともに、収益環境や投資計画などを総合的に勘案しながら、株主への安定的な利益還元を実施していくことを基本的な考えとしている。業績を反映させる基準として連結配当性向60%程度を下回らないものとし、連結株主資本配当率(DOE)も勘案しながら利益還元する方針である。
この方針のもと、2018年3月期は中間配当9円、期末配当17円、合計26円と、前期比8円増配し、配当性向は58.8%であった。2019年3月期については業績試算値を勘案して、中間配当11円、期末配当11円、合計22円の当初予想を据え置いており、配当性向は64.9%になる見通しである。
さらに、同社では2015年3月期以降、1株当たり利益や株主資本比率の改善につながる自社株買いを実施しており、2019年3月期も100万株、8億円の取得枠を設定し、取得を行った。この結果、総還元性向((配当金支払額+自社株買い金額)/親会社株主に帰属する当期純利益)は85.0%(前期実績79.3%)となる見通しだ。2019年3月期以降についても、自己資本の水準やリスクの状況等を勘案しながら検討する考えだ。
同社の業績は市場環境に大きく影響されるため、実際の期末配当は下期の業績次第であるものの、現在までのところ、市場環境及び業績はおおむね会社想定どおりに推移しているようである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
《MH》
提供:フィスコ