貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8306 三菱UFJ

東証P
1,554.0円
前日比
-9.5
-0.61%
PTS
1,536.7円
01:20 05/03
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.0 0.96 2.64 19.57
時価総額 191,728億円
比較される銘柄
三井住友FG, 
みずほFG, 
ゆうちょ銀
決算発表予定日

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個人投資家hina:「銀行株と時間が経ってからが怖い金融不安」【FISCOソーシャルレポーター】


以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家「hina」氏(ブログ:hinaの株ブログ」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2023年3月13日15時に執筆

『hinaの株ブログ』を執筆しておりますhinaと申します。ニッポン放送の人気番組【飯田浩司のOK!Cozy up!週末増刊号】にレギュラー出演中。Yahoo!特設掲示板にて、「ピストン西沢とhinaの投資部屋」を運営中。CAMPFIREコミュニティにて投資情報配信サロン「hinaの株プレミアム」を開設、市場営業日には毎日メルマガを配信しています。株の入門書『超ど素人が極める株』は翔泳社から出版。増刷中です。

・米国市場
先週末のNYダウは-345ドル、-1.08%の31909ドル。NASDAQは-199ポイント、1.76%の11138ポイントと下落しました。米SVBフィナンシャルの破綻の報道で株式市場は売られていきました。米政府や米財務長官などから、金融システム安定についての動きがあったことで、大きな崩れになることはなく-1%台の下落で済んだ、くらいの下げ方になりました。休日中はSVBフィナンシャルの破綻のニュースが大量にスマホのニュースなどに流れてきていました。

本日の朝になると、SVB銀行の預金を全額保護というニュースが流れてきました。日本でもペイオフで、預金は1000万円までは預金保険の対象となり保護されます。この金額が米国では25万ドル(日本円にして3000万円ちょっと)が保護されるということで、それを超える預金については保護されないこととなり、これが金融システム混乱につながっていくのでは、とみられていました。

預金全額保護を打ち出すことによって、今回の米銀行の破綻劇から広がりそうだった金融不安の火消しにかかった格好です。これが発表されたのは、日本時間今朝の6時過ぎでした。アジアの金融が開く時間より前にこれを打ち出すことで、金融の世界的混乱を止めるという意識はあったのでは、という時間帯の発表でした。ゴールドマン、3月の米利上げもはや想定せず-今後の不確実性に言及。とのことから、米ゴールドマンからは、3月のFOMCでの利上げはなくなったのでは、との見方が出されていました。また米国の金利は、インフレとの戦いで再び利上げ幅が引き上げられる懸念もありました。しかし、今回の銀行の破綻で、金利の上げはできなくなるのでは、との見方です。

銀行の破綻で、2008年に起きたリーマンショックのような大きな金融不安を懸念する声もありますが、今回の破綻劇で米金利の上昇が抑制されるのであれば、米株式市場にとっては悪くない流れなのでは、との見方もあります。そのような見方もあってか、日本市場の場中に行われている時間外の米NYダウ先物は先週末のNYダウの下げ幅以上の上昇となっています。ゴールドマンの出した金利の見通しが当たるのか同課は今の時点ではわかりません。時間外の米国ダウ先物は、日本時間13日の14時現在では+400ドルぐらいの上昇となっていますが、この流れが今晩の米株市場まで続くかは定かではありません。

銀行破綻から起きる金融システム不安は、預金の全額保護でだいぶ軽減された格好です。銀行破綻で米金融当局の金利上げが抑制されるのなら、それが株式市場にとってはプラスとなる可能性もあります。本当にこの流れが実現するかは今後の流れを見ないとわかりません。今は、金融不安が増大する可能性の高い時期にあると思いますので、リスクを取りすぎないようにポジションを減らし気味にしておきたいなと思います。

・日本市場
日経平均は大幅安となっています。時間外の米株先物が上昇に転じていることで、日本以外のアジアの株式市場は高くなっているところがほとんどです。しかし、日本株だけは弱めで推移しています。本日は、前引け段階でTOPIXが‐2%超の下落となり、久々に日銀のETF買いが入っているのでは、とみられています。後場から日銀がETFを買っているかも、という話になっても日本株はほとんど切り返すこともなく、弱めで推移しています。どうして日本だけがこんなに弱いのか?明確な答えは見出せそうにもありませんが、メガバンクなどの弱さを見ていると、相当なリスクオフの動きが出ているというのは間違いなさそうです。

・銀行株は弱い
米国の銀行破綻で金融システムの不安があるわけですが、それだけでは説明がつかないくらいの売り物が日本の銀行株群にきている気がします。三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、みずほFG<8411>などは、ここまで「米国の金利上昇」や「日本の金利正常化に対する期待」、「高配当株物色」などの要因で去年からずっと上昇が続いてきました。米国の金利上昇は今回の米国の銀行破綻で少し上昇が抑制される可能性は出てきました。日本の金利については、先週の日銀金融政策決定会合で金融緩和の現状維持が決まり、しばらくは金利上昇はなさそうということで、日本の長期金利は再び下落してきています。高配当株物色については、3月末の配当権利取りの時期は近づいてきていて、もしかしたらピークの時期は過ぎてきているのかもしれません。

以上、米金利の上昇一服、日本の長期金利の下落、配当権利取りの動き一服、この3つが重なったからなのか、本日も先週末金曜日に続いて大幅安となっています。日本の銀行株がとても弱いことが市場の足を引っ張るような形になっているようで、日経平均は弱めで推移するという格好になっています。米国の金融システムの不安という材料がくすぶっているうちは、あまり強気になれないところだろうという気はしています。

今回の金融不安がリーマンショックのような大きな下げにつながっていくかは今の時点ではわかりません。リーマンショックの時、日本市場が本格的に下がり始めたのは、リーマン破綻が明らかになってから20日ほど過ぎてからでした。金融不安などは時間が経ってからでないと、どのぐらいの影響度があるかは見えてこないものです。ですので今は、安くなったからというだけで買いを増やしていくというのはまだ早いのでは、という目線で見ています。

執筆者名:hina
ブログ名:hinaの株ブログ

《TY》

 提供:フィスコ

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