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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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7570 橋本総業HD

東証S
1,323円
前日比
-31
-2.29%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.0 0.84 3.33 38.00
時価総額 282億円
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橋本総業HD Research Memo(9):企業理念やビジョンの実現に向け、成長戦略を展開


■中期経営計画

1. 企業理念
橋本総業ホールディングス<7570>は「設備商品の「流通」と「サービス」を通じて、快適な暮らしを実現する」という企業理念の下、社会に貢献することを目指している。また、「設備のベストコーディネーター」「流通としてベストパートナー」「会社としてベストカンパニー」の『「3つのベスト」の追求で、7つのステークホルダー※に貢献する』というビジョンを掲げている。商品を直接手にする施主や工事店には、「設備のベストコーディネーター」として、会員専用Webサイト「OPS」やネットカタログ「e設備NET」を通じて、最適な商品を提案している。また、仕入先や販売先とは、「流通としてベストパートナー」として、購買代理機能や販売代理機能を発揮することで共存共栄を図っている。株主に対しては1株当たり当期純利益拡大による株価や配当の充実、社員に対しては各人の働きがいやキャリアアップなど職場環境の拡充、社会に対しては環境課題などへの取り組みにより、社会に役立つ「会社としてベストカンパニー」を目指している。

※7つのステークホルダー:施主、得意先(2次卸・工事店)、株主、工事業者、仕入先、社員、社会。


同社は企業理念やビジョンを実現するため、成長戦略として「3つのフル」、ネットワーク戦略の「みらい活動」、生産性向上に向けた「進化活動」、社会と共生するための「ESG活動」を展開している。一方で、予算の達成や成長への取り組みなどからなる短期施策を毎期策定し実行している。このような中期と短期を連動させた戦略展開は、業界のなかでも独自性の強い取り組みであり、差別化の源泉になっている。


2028年3月期に売上高2,000億円を目指す
2. 中期経営計画の更新
同社を取り巻く市場環境は、コロナ禍や原材料高が落ち着きを見せ、部材の遅延も解消、価格改定も進行した。また、インボイス制度が開始したほか、2024年問題や省エネ法の改正、建築基準法4号特例の縮小など、同社や取引先に関わる状況変化や制度変更が見込まれている。このように、コロナ禍前と比較して同社を取り巻く環境は大きく変化し、今後も変化することが予想される。

なかでも建築基準法4号特例の縮小は、小規模工務店への影響が大きい。というのも、2025年4月以降、これまで建築基準法第6条第1項第4号に該当する「4号建築物」として審査が省略されていた建築物のうち、木造2階建て・木造平屋建て(延べ床面積200m2超)の建築物は審査省略の対象外となり、構造関係規定等の提出が必要となるからだ。建物の構造計算を自らできるのはハウスメーカーや年間100棟以上の実績のあるビルダーで、それ以下の棟数の工務店では体力的に構造計算をすることができないと見られている。一方、省エネ法の改正では、すべての建築物に「省エネ基準」への適合が義務付けられるようになり、建築物の省エネ性能に対して厳正な審査が行われることになる。このため、住宅全体の3分の1以上を工務店が供給しているにもかかわらず、廃業する事業者が増えるとの予測がある。同社はこうした制度変更に対し、タイでの積算・設計事業により取引先の構造計算業務を代行する計画である。

このように同社は、環境変化や制度変更を見据え、中期経営計画の売上高目標を上方修正した。長期計画の2031年3月期目標を前倒し、2028年3月期に2,000億円を目指す。加えて、上場企業としての企業価値向上も検討している。次期中期経営計画の詳細は2024年3月期本決算で公表する予定だが、要員計画や拠点を見直し、DXや働き方改革などを進め、ROE経営にシフトすると思われる。その結果、中期的なターゲットに加え、毎期策定される短期施策の方向性は変わることになると思われる。しかし、中期の取り組みである成長戦略としての「3つのフル」やネットワーク戦略としての「みらい活動」、生産性向上としての「進化活動」に変更はなく、着実に実行することで次期中期経営計画の達成につなげる方針と弊社では見ている。


どこでも、何でも、どんなことでも対応する「3つのフル」
3. 「3つのフル」
成長戦略の「3つのフル」は「フルカバー」「フルライン」「フル機能」のことで、「どこでも、何でも、どんなことでも対応する」という同社の意思表示である。「3つのフル」を追求することで、ステークホルダーとともに栄えようという考えに基づいている。「フルカバー」は、得意先や仕入先とともに地域にネットワークを作り、県別体制で全国需要に対応することを指す。「フルライン」は、設備関連資材であれば何でもワンストップで対応することを指す。管材のみならず土木、建材、電材などの新規分野にも積極的に対応するほか、PCやタブレットでの商品閲覧が可能となっている。「フル機能」は、どんなことでも対応するということで、「対応、価格、在庫、配送、販促、研修、情報」の基本7機能、「事前の引合・受注・照会、当日の納入・施工・加工、事後のアフターメンテナンス・現調・取替」の工程9機能、「物流、施工、情報、システム、業務、サポート、教育、人材、金融」のソリューション9機能を継続的に強化している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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