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7378 アシロ

東証G
731円
前日比
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
203 2.66 2.93
時価総額 53.7億円

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アシロ Research Memo(5):好調な事業環境を背景に売上収益の上方修正を発表


■今後の見通し

1. 2023年10月期の業績見通し
アシロ<7378>の2023年10月期の連結業績は、売上収益で3,167百万円(前期比43.8%増)、営業利益で80百万円(同83.5%減)、税引前利益で75百万円(同84.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益で33百万円(同90.5%減)を見込んでいる。主力事業であるリーガルメディアと派生メディアが想定を上回って好調に推移していること、2023年4月からのビッコレの連結に伴い、売上収益の予想を上方修正しており、CAGR30%超の成長を継続する。営業利益に関しては、中期経営計画に基づいた成長投資の強化を継続することから据え置きとしているが、第2四半期末時点で通期予想を上回るなど好調である。主力のリーガルメディア関連事業が安定的に成長していることに加え、HR事業も2022年10月期に黒字化するなど好調であり、通期予想を達成する可能性は高いと弊社では見ている。

2. 事業別の見通し
事業別の売上収益は、リーガルメディアで1,846百万円(前期比25.7%増)、派生メディアで1,127百万円(同88.8%増)、HR事業で130百万円(同23.8%増)、その他(保険事業・新規)で63百万円(同125.0%増)と、すべての事業で増収を見込んでいる。リーガルメディアの安定的な成長を基本路線としている一方、特にHR事業が前期同様に高成長を継続することを見込んでいる。また、派生メディアの売上収益のうち、ビッコレの連結による影響額は133百万円である。

2023年10月期は、中長期の成長を見据えた投資を推進する。投資額は前期比5.6倍の684百万円を予定しており、人件費で96百万円(同128.6%増)、広告費で358百万円(同984.8%増)、外注費で85百万円(同325.0%増)、その他で146百万円(同421.4%)としている。最も大きい広告費投資については、中長期の安定的な成長に向けたリーガルメディアの新ブランド「ベンナビ」の認知施策と、HR事業の管理部門人材向けサービスの立ち上げに主に充当される見込みである。

3. トピックス
(1) ベンナビのブランディング施策について
リーガルメディアでは、「ベンナビ」へのブランド統一について、2023年5月にすべてのサイトリニューアルを完了した。これまではリーガルメディアの認知度が低く、サービス名での検索数が少ないという課題が存在していたが、「法律相談ならベンナビ」という認知を獲得し、ユーザーが法律に絡んだ検索行動を行うときに「ベンナビ」を想起することを目指す。ブランドのイメージキャラクターとして俳優の小日向文世氏を起用しており、第3四半期より一部地方でのテレビCM放送及びYouTubeへの広告出稿を開始している。これまでリーガルメディアは自然検索経由と広告経由の流入が中心だったところ、認知度が向上することで「ベンナビ」と検索する指名検索経由のユーザー流入が発生することが見込まれる。それにより顧客である法律事務所にとっての広告効果が高まり、解約率の低下にもつながる。結果として1ユーザー当たりのLTVやストック収益が高まり、長期的な成長が期待できると弊社では見ている。

(2) ビッコレの子会社化と吸収合併
同社は2023年3月に、ポイントサイト「ビッコレ」やFXデモトレーディングアプリ「ビッコレFX」等の運営を行うビッコレの全株式取得と子会社化を公表、同年6月には吸収合併した。ビッコレのサービスは、広告主が定めた一定の条件をユーザーが達成した場合、ユーザーはビットコインと交換可能なポイントを獲得することができる点が特徴である。ビッコレはビットコインの在庫は保有せず、その価値変動リスクを負わないビジネスモデルとなっている。本M&Aは中期経営計画の一環であり、主要事業の1つである派生メディアでは、主力の転職領域における事業拡大のほか、新規領域となる金融メディアサイトの立ち上げにも注力しており、ビッコレとのシナジーも活用して金融領域に進出する方針だ。また、ビッコレはビットコインと交換可能なポイントをユーザーに付与することでユーザーのインセンティブ設計を図っており、そのノウハウを獲得することより訴求力のあるサービス開発が可能となる。加えて、同社がこれまで培ってきたSEOノウハウや広告運用ノウハウを活用することで、ビッコレの各サービスの集客力強化にも寄与することが可能であり、高いシナジーが期待できるものと弊社では見ている。同社では、M&Aを重要な成長戦略の1つと位置付けており、今後も積極的に検討する方針だ。引き続きDDのプロセスに時間をかけ、リスクに対処しながら慎重に取り組んでいく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《SI》

 提供:フィスコ

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